
スーパーに並んでいる野菜や果物は、どれも同じような見た目をしています。
もしも野菜売り場で丸まったきゅうりとピンと伸びたきゅうりがあれば、多くの人がピンと伸びたほうを選ぶでしょう。
しかし、
「見た目が悪い野菜や果物はどうなるの?」
「味や栄養価に問題がなければ流通できないの?」
と感じる方も多いのではないでしょうか。
実際に、世界では飢餓問題が深刻化しているにも関わらず、日本を含む先進国は食品ロスを増やし続けているのが現状です。
今記事では、
- 規格外品とは
- 食品ロスを削減する方法
- 企業が規格外品を活用するメリット
などについて詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
農産物の規格外品とは

農産物の規格外品とは、農林水産省が定める「農産物規格」を満たしていない野菜のことです。
大きさ、形状、色、重さ、病虫害の有無などが一定基準を下回ると、一般市場に流通しません。
これらの基準は、品質を一定水準以上に保ち高品質を担保したり、流通時の梱包や輸送を簡単にしたりする効率化が目的で定められています。
規格外品には、病虫害の被害に遭っているものもありますが、大きさや重さ、形状だけが水準を満たしておらず、味や栄養価に影響がない野菜や果物も含まれています。
つまり、本来、食べられる野菜が見た目のイメージや業務効率化のために捨てられてしまっているのです。
規格外品による食品ロス問題

農林水産省の2021年の調べによると 、主な野菜の収穫量が約1,288万tなのに対して、出荷量は約1,111万tとのデータがあります。
全体の収穫量のうち約14%は、一般市場に流通していません。
一般市場に流通しなかった野菜の一部は、農家さんが自宅で消費したり、肥料や飼料として二次利用していますが、大半は廃棄されているのが現状です。
品質の安定化や業務効率のために農産物規格の基準を設けることは悪ではないものの、同時に食費ロスを削減する工夫も取り入れて行くべきだと議論されています。
最近では規格外品を安く販売する事例も増えていますが、価格低下による市場縮小リスクが懸念されます。
規格外品の食品ロスを削減する方法

規格外品を一般流通させることは、食品ロスの削減に大きく貢献しますが、具体的にどういった方法があるのでしょうか。
ここからは、規格外品の食品ロスを削減する方法について解説します。
安価販売
規格外品は、農産物直売所や道の駅、ECサイトなど小規模な市場で需要があります。
このとき、一定水準を満たしている野菜や果物と一緒に並べると売れ残りの原因になるので、価格を下げて販売するのがポイントです。
これにより「味や栄養価が変わらないなら安い方を購入しよう」と考える消費者のら手に取ってもらえるようになります。
フードバンクへの寄付
一般流通できない野菜や果物は、NPO法人などが軸となって活動しているフードバンクに回ることがあります。
フードバンクに回った野菜や果物は、生活が苦しい家庭や児童養護施設などに寄付されるため、食品ロス問題に向き合う取り組みとして農林水産省も支援しています。
貧困で困っている人を助けながら食品ロスの削減は実現しますが、生産者に利益が出るわけではありません。
食品加工
規格外品は、加工すれば一般流通させられます。
廃棄される予定のものを再利用して付加価値をつける取り組みをアップサイクルと呼びますが、規格外品の野菜を使った商品も最近では増えています。
野菜や果物をペーストしたお菓子、乾燥したドライフード、スムージーなどがアップサイクル商品の代表例であり、加工技術の進歩とともにバリエーションが増え続けているのです。
マイクロ波抽出装置を使えば、野菜や果物の有効成分のみを抽出した調味料やパウダーを簡単につくれるので、新商品開発にも有効です。
興味がある方は、同装置を取り扱っている兼松エンジニアリング株式会社のHPで詳細をご覧ください。
参考:http://kanematsu-mwextract.jp
食品以外の商品加工
規格外品のアップサイクルは、食用以外にも活用できる事例が多くあります。
- ヴィーガンレザー
- クレヨン
- 洋服やスニーカー など
食品ロスの問題が注目されると同時に、廃棄される前の野菜や果物を使った商品は、バックストーリーを語るだけでも消費者の共感を集めて、購買意欲を刺激できます。
アップサイクルをうまく活用すると、商品の売り上げだけではなく、ブランドのファンを増やすことにも貢献してくれるでしょう。
企業が規格外品を活用するメリット

規格外品が食品ロスを招いている現状であっても、さまざまな方法を活用すれば食品ロスを削減できます。
このような状況の中、企業単位で規格外品の活用に関わることに意味があるのでしょうか。
ここからは、企業が取り組むメリットについて解説します。
食品ロス削減に貢献できる
日本国内で廃棄されている規格外品を企業が回収することによって、世界規模で問題になっている食品ロス問題に貢献できます。
日本国内では年間約612万t、世界規模で見ると約13億tの食材が廃棄されています。
この数字は、世界の食糧生産量の3分の1です。
地球温暖化や飢餓で苦しむ貧困地域が増え続けている一方で、大量に食料を捨てている地域もあり、この貧富格差は深刻化し続けています。
この問題を他人事と捉えずに、企業単位で規格外品を積極的に使うことで社会貢献が実現します。
低価格で仕入れできる
規格外品は、大きさや形などに欠点があるため、通常よりも低価格で入手できる可能性が高いです。
味や品質に問題がなくても捨てられてしまっている現状を踏まえると、コストを抑えるために仕入れる選択は有効といえるでしょう。
全国展開しているコンビニチェーンでは、農家と直接契約することで、惣菜に必要な野菜の安定供給と生産者の利益を保証しています。
正規品の中に規格外品が混ざる形で出荷されますが、直接契約することで突然の物価高騰の波に巻き込まれることなく、事業を持続させられます。
サステナブルな事業として差別化できる
規格外品など廃棄される予定の食品を活用することで「食品ロスの削減に貢献している」としてサステナブルな事業としてアピールできます。
最近では、SNSやECサイトなどインターネット普及に伴い、どの業界も競争率が激化しており、利益を伸ばすためには他者との差別化が必要になりました。
そこで「食品ロス削減に貢献している」というバックストーリーを明確にして売り出すことで、消費者からの共感を得られて利益向上を期待できます。
規格外品の加工に使えるマイクロ波抽出装置とは

規格外品を二次加工し付加価値をつけて販売する加工技術として注目されているのが、マイクロ波抽出装置です。
マイクロ波抽出装置は、低温で野菜や果物を熱して有効成分を抽出します。
これによりジュースや味付けに使えるパウダー、調味料の原材料、野菜や果物から天然由来の精油や芳香蒸留水などをつくることができます。
地域の町おこしの一環として、特産品を使った新商品開発としても有効的です。
興味がある方は、同装置を取り扱っている兼松エンジニアリング株式会社のHPで詳細をご覧ください。
参考:http://kanematsu-mwextract.jp
まとめ

今回は、規格外品の食品ロスについて解説しました。
最後に、もう一度おさらいしましょう。
- 規格外品には味や栄養価に問題がないものが含まれる
- 日本国内では野菜の総収穫量のうち約14%が一般流通されておらず、一部が廃棄されている
- 規格外品を活用することで食品ロスを減らせる
規格外品の活用は、食卓に並ばずに捨てられる野菜や果物の量を減らし、農家さん(生産者)の利益を保証することにつながります。
各家庭での意識も大切ですが、より大きな影響力を出すなら企業単位で規格外品を二次利用する取り組みが必要です。
もしも規格外品を使った商品開発を検討しているのであれば、兼松エンジニアリングへの依頼をおすすめします。
兼松エンジニアリングでは、マイクロ波抽出装置を取り扱っており、食品はもちろん、それ以外の加工にも役立ちます。
興味がある方は、兼松エンジニアリング株式会社に、一度お問い合わせください。
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