
近年多発している異常気象や鳥獣被害によって廃棄野菜が増加し、廃棄コストの増加に頭を悩ませている生産農家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
食品ロス問題が世界的にも注目される中、日本でも廃棄野菜の活用法に興味を持っている方がどんどん増えています。
そこで廃棄野菜の代表的な活用方法として、オフラインやオンラインでの販売をはじめ、さまざまな方法を紹介します。
廃棄野菜で利益を生み出せるおすすめの活用方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
廃棄野菜とは?

廃棄野菜とは、野菜の生産農家から出荷されずに廃棄される野菜のことです。
野菜の形状や傷などの見た目の問題だけでなく、集荷や販売作業の効率に悪影響を及ぼすため廃棄されている場合もあります。
廃棄野菜が生まれる主な原因は3つです。
- 害虫被害や病気
- 色やサイズなどの規格外
- 需要と供給のバランス
鳥獣によって野菜が食べられると傷ができ、腐敗しやすくなるため、スーパーや専門店で販売できなくなってしまいます。
また、生産過多で需要と供給のバランスが崩れると、売れ残り野菜として廃棄されるケースも多いです。
他にも、最近多発している異常気象や天候不良も原因のひとつです。
日々の気温の変動が大きく、野菜の生産量が安定しないと廃棄野菜も増加する傾向にあります。
廃棄野菜を販売する方法

廃棄野菜の中でも規格外野菜は、色や形、大きさが決められた規格に合っていない野菜のことです。
野菜の外見以外は、普段スーパーに並んでいる野菜と変わらない商品です。
特に大きさが少し小さいだけで規格外とされている野菜は、味や品質には全く影響がありません。
そのまま廃棄するのはもったいないものばかりなので、できるなら販売したいと考える生産者の方も多いでしょう。
廃棄野菜を販売する方法は以下の4つです。
- 直売所や道の駅
- 飲食店向け
- ECサイト
- オンライン直売所
最初はもっとも手を出しやすい、地域の直売所や飲食店向けの販売から始めるのが良いでしょう。
見た目が規格外であっても味や品質が良ければ、新鮮でおいしい野菜を求める販売店や飲食店が多数あります。
地域で廃棄野菜を消費しきれない場合は、ECサイトやオンライン直売所を活用する方法もおすすめです。
規格外野菜を販売できるサービスも増えてきているため、オンラインでの販売に興味がある方はぜひ活用してみてください。
廃棄野菜を販売するメリット

廃棄野菜を販売するメリットを紹介します。
- 農家の収益増加につながる
- 廃棄コストをカットできる
- 食品ロスを削減できる
廃棄野菜の販売は、農家にとって費用面でのメリットが大きいです。
廃棄野菜が売れると販売利益が増加大するのはもちろん、廃棄にかかるコストを削減できるのもうれしいポイントです。
また、廃棄野菜の販売は食品ロスの削減にも効果的といえます。
環境省のデータによると、2022年の日本の食品ロス発生量の推計値は472万トンでした。
世界では飢餓に苦しむ人々がいる一方、食べられるにも関わらず捨てられている大量の食品ロスが生まれていることが問題視されています。
近年では食品ロス問題に関する注目度が高まり、廃棄野菜の購入に関心を持っている消費者も増えています。
見た目が少し悪くても、安くておいしい野菜を購入したいと考えている消費者も多いでしょう。
廃棄野菜の販売は食品ロスの削減に貢献しつつ、野菜をお得に購入できる点で、生産者だけでなく消費者にとってもメリットがあります。
廃棄野菜を販売するデメリット

廃棄野菜を販売するデメリットを3つ紹介します。
- 販売に手間がかかる
- 少量だとコスパが悪い
- 市場価格が低下する可能性がある
野菜を販売するには日々の農作業に加え、販売にかける手間が増えるデメリットがあります。
販売できる廃棄野菜が少量しかないと、販売で得られる利益よりも人件費や手間が大きくなる可能性もあるでしょう。
規格外の野菜を低価格で野菜を販売すると、正規の野菜の市場価格に影響が出ることもあります。
人件費の増加や市場価格の低下につながるのなら、家族や近所の知人、従業員などの身の回りの人に無料で配る方がコスパが良いです。
金銭的なメリット以上に、周囲の人に喜んでもらえる魅力もあります。
また、販売利益よりもデメリットが上回るのであれば、販売以外の方法を検討するのもおすすめです。
廃棄野菜の販売以外の活用方法を紹介

廃棄野菜を活用する方法は、野菜をそのまま販売するだけではありません。
おすすめの方法は以下の3つです。
- 肥料として畑に戻す
- カット野菜やジュースにして販売する
- マイクロ波抽出装置を活用して加工する
販売であまり利益が出ていない場合は、これらの方法も試してみましょう。
肥料として畑に戻す
廃棄野菜を肥料として畑に戻す方法があります。
もっとも手軽に取り入れられる方法のため、すでに活用している生産農家の方もいらっしゃるでしょう。
廃棄野菜を畑に戻すと、野菜にとって良い微生物が増えていきます。
野菜と相性の良い微生物は、病害虫を食べてくれるため、野菜を育てるのに適した土壌環境づくりができます。
廃棄野菜が少量しかないのであれば、手軽にできる肥料として畑に戻す方法がおすすめです。
また、2022年にはロシアによるウクライナへの侵略の影響などによって、化学肥料の価格が急騰したことがありました。
廃棄野菜を活用すると、予測できない世界情勢の影響による肥料の価格変動にも対応できます。
カット野菜やジュースにして販売する
廃棄野菜を加工して、カット野菜や野菜ジュースとして販売する方法もあります。
カット野菜やジュースは野菜の見た目や形とは無関係なため、廃棄野菜の活用に適しているのです。
消費者からも以下の理由で、単身世帯や家族世帯問わず需要が高まっています。
- 野菜価格の高騰時でも価格が安定している
- 野菜を洗ったり切ったりする手間が省ける
- コンビニやスーパーで手軽に購入できる
カット野菜や野菜ジュースは調理の手間がかからず、手軽に野菜を摂取したい方から人気です。
また、最近では食品ロス問題に関心がある消費者も増えています。
廃棄野菜を活用していることをパッケージに明記しておくと、他の商品との差別化にも効果的です。
購入するだけで手軽に環境保護に貢献できる点が、消費者にとっても魅力といえます。
マイクロ波抽出装置を活用して加工する
マイクロ波抽出装置を活用して、廃棄野菜の成分を抽出して加工する方法もおすすめです。
エッセンシャルオイルやフレグランスに加工して販売すると、食品以外の分野にも事業拡大が可能です。
兼松エンジニアリングのマイクロ抽出装置は、低温抽出により熱に弱い香り成分も逃さず、高品質な精油や芳香蒸留水を抽出できます。
マイクロ抽出装置に興味がある方は、ぜひ下記の同社HPも併せてご覧ください。
まとめ

廃棄野菜の販売や販売以外の活用方法について解説しました。
- 廃棄野菜はオフラインだけでなくオンラインでの販売もおすすめ
- 販売以外にも肥料にしたり、加工して販売したりする方法もある
- マイクロ波抽出装置を活用するとオイルやフレグランスにも加工可能
廃棄野菜は食品ロス問題に直結する、近年注目度の高い世界的な問題のひとつです。
廃棄野菜の販売は食品ロスの削減に効果的ですが、費用面でのメリットがあります。
一方、手間がかかりコスパが悪いデメリットもあります。
そこで、販売以外にも肥料にして畑に戻す方法や、ジュースやジャムに加工して販売する方法もおすすめです。
食品以外への事業拡大を考えているのであれば、マイクロ波抽出装置を活用したエッセンシャルオイルやフレグランスの販売もおすすめです。
抽出装置を活用して新たな加工品を販売したい方は、導入を検討してみてください。
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