規格外野菜とは何かを考える【廃棄される前に】できる4つの方法

食卓に欠かせない野菜の価格高騰は、頭の痛い問題ですよね?

問題の背景には意外な事実があるのです。

スーパーに並ぶ野菜は「規格」という基準をクリアしたもので、選別コストが価格に上乗せされているのです。

一方、形が少し曲がっているだけ、サイズが基準と合わないだけの「規格外野菜」は、味も栄養も問題ないのに市場から排除されています。

「見た目が基準外」で廃棄される野菜達の有効な活用方法はないのでしょうか?

この記事では、規格外野菜の問題と以下の4つの解決策をご紹介します。

  • 規格外野菜としての売買
  • フードバンクへの提供
  • 肥料としての活用
  • 新たな製品へのアップサイクル

読み終えた後には、あなたの野菜の見え方がガラリと変わり「曲がったキュウリも愛おしい」と考えられるようになっている筈です。

規格外野菜とは?定義と背景

野菜を選ぶとき、つい「きれいな形」「傷がない」「ちょうどいい大きさ」のものを手に取っていませんか?

多くの消費者がもつ選択基準が、多くの野菜を市場から締め出している現状を知っているでしょうか?

ここでは、規格外野菜の特徴について解説します。

規格外野菜とはどのようなものか

規格外野菜とは、味や栄養価には問題がないにもかかわらず、見た目や大きさが市場の規格に合わないために販売されない野菜のことです。

曲がったキュウリ、大きすぎるジャガイモ、形が不揃いなニンジン…などが該当します。

しかし実際は、規格外野菜も品質は同等で、むしろ栄養がたっぷり含まれている場合もあります。

規格外野菜はなぜうまれるのか?

規格外野菜が生まれる主な原因は、農産物流通システムの「規格化」です。

農林水産省が公表している出荷基準の一例は、以下のとおりです。

野菜規格条件
きゅうり長さ:19cm以上
重さ:95以上
トマト1個あたりの重さ:130g以上
レタス1個あたりの重さ:450g以上
モロヘイヤ葉先より25cm以下
茎の長さ6cm以内

規格外野菜が抱える問題

食べられるのに捨てられる野菜が増え続けており、日本全体で年間472万トンもの食品ロスが発生し、農家は経済的負担を強いられています。

規格外野菜の廃棄は環境問題にもつながり、生産者と消費者双方に影響を及ぼしています。

規格外野菜が直面する3つの課題について見ていきましょう。

1. 廃棄される規格外野菜の現状

農林水産省のデータ(2020年度)によると、野菜の収穫量が1,304万5,000tに対して、出荷量は1,125万8,000tでした。

つまり、収穫された野菜のうち14%は、サイズや形状などを理由に出荷されていません。

2. 生産者のリアルな声

筆者の知人で、北海道で農業を営むファームさとうの佐藤さんに現状を伺ってみました。

佐藤さんの農場は、メインがキュウリ、その他にさつまいも、オクラ、ナスなども育てています。

佐藤さんによれば、キュウリで規格外となる主な理由は「サイズが大きい」
「曲がりがキツイ」など、やはり見た目によるものが多いそうです。

3. 規格外野菜と生産農家への負担

規格外野菜の発生は農家にとって大きな経済的負担です。

佐藤さんの農園では、「去年460坪、1,000本程度のキュウリ畑で、1日20〜30キロ程度の規格外が出ました」と言います。

しかし規模が大きくなると対応が難しくなります。

「過去に1,100坪、3,600本のキュウリを栽培した時は、消費しきれなかった分は廃棄していました」と佐藤さんは言います。

最近は、「メルカリでの販売」「仲介業者を介して飲食店に卸す」など工夫もしているそうですが、「格安・薄利でしか対応できないのが現状です」と実情を語ります。

規格外野菜と食品ロスとの関係

規格外野菜の廃棄は、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」に関わる食品ロスの一部です。

日本の食品ロス量(472万t)は世界の食料援助量(年間370万t)を上回っています。

規格外野菜の廃棄は、野菜の栽培に使われた水、肥料、農薬、エネルギーもすべてが無駄ということになりますね。

日本政府は、2030年までに事業系食品ロスを2000年度から半減させる目標を掲げているため、達成するには企業単位での協力が欠かせません。

【実は求められている】規格外野菜とは

捨てられている一方で、規格外野菜が注目を集め、人気商品になりつつあるのを知っていますか?

環境意識の高まりとSNSの普及により、規格外野菜の価値が見直されています。

ここでは、規格外野菜が注目されている理由を4つ解説します。

規格外野菜が選ばれる理由とは?

規格外野菜が選ばれる理由は主に以下の4つです。

  • 経済的なメリット
  • 食品ロス問題への注目
  • 栄養価の高さ
  • 個性的な見た目の楽しさ

まず、通常の野菜より30〜50%安く購入できることが多く、家計に優しい選択肢です。

特に野菜価格が高騰している昨今、多くの家庭で積極的に取り入れられています。

続いて、消費者庁の調査によると、日本国内での食品ロス問題の認知度は81.8%と非常に高いです。

食品ロスを減らしたいと考えている消費者に向けて、商品開発することで認知度の向上が期待できます。

さらに、大きすぎるという理由で規格外となった野菜は、栄養素をより多く含んでいることがあります。

最後に、SNSの普及により、ハート形のじゃがいもや双子のニンジンなど、ユニークな形の野菜が写真映えする食材として注目されています。

【新たなビジネスチャンス】規格外野菜へ活路を与える方法解説4選

規格外野菜問題は、ビジネスチャンスでもあります。

食品ロス削減が世界的課題となる今、規格外野菜を活用したビジネスには何が求められているのでしょうか?

ここでは、捨てられてしまう野菜を活用する方法について4つ解説します。

1. 規格外野菜としての売買

「規格外」という言葉に、ブランド価値を付け、直接販売する方法です。

販売方法には、農家直売所、ファーマーズマーケット、オンラインショップなどがあります。

2. フードバンクへの提供

フードバンクとは、企業や農家から寄贈された食品を福祉施設や生活困窮者に提供する活動です。

3. 肥料としての活用

規格外野菜を堆肥(たいひ)に変換する方法もあります。

コンポスト化、バイオガス発酵などの方法があります。

4. 規格外野菜を加工し新たな製品にアップサイクル

最も革新的な活用法が「アップサイクル」です。

これは廃棄物に新たな価値を与えより価値の高い製品に変換する取り組みです。

アップサイクルの有効手段【規格外野菜の成分を抽出】

野菜には、栄養素だけでなく機能性成分や香り成分など多様な有用物質が含まれています。

付加価値をつけて販売することで、野菜の生産者にも還元できる点も魅力です。

兼松エンジニアリング「マイクロ波抽出装置」とは

兼松エンジニアリングの「マイクロ波抽出装置」は、規格外野菜から有効成分を効率的に抽出する革新的な装置です。

活用例の一つとして、ゆず果汁搾汁後の果皮などの残渣(ざんさ)から精油を抽出してアロマ製品を生産し、廃棄されるだけだった処分品を有効利用している取り組みがあります。

抽出装置を使ったアプサイクルに興味がある方は、こちらから詳細をご覧ください。

参考:kanematsu-mwextract.jp

規格外野菜とは【健康・快適・エコロジー】に繋がるキーアイテム

持続可能な社会の実現に貢献できる規格外野菜には、大きな可能性があります。

見た目の判断のみで廃棄されてきた野菜たちに新たな命を吹き込む方法として、とくに「アップサイクル」が注目されています。

兼松エンジニアリングの「マイクロ波抽出装置」は、まさに規格外野菜を高付加価値製品へと変換する革新的技術ですね。

また、消費者としてスーパーで完璧な見た目だけを求めるのではなく、少し形が曲がった野菜にも目を向けてみましょう。

持続可能な未来に向けて、今日からできること、規格外野菜の持つ可能性に目を向けてみましょう。

マイクロ波抽出装置に興味がある方は、こちらから詳細をご覧ください。


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