精油(エッセンシャルオイル)の作り方は?抽出方法の選び方を解説

精油(エッセンシャルオイル)とは

どの植物から成分を抽出するかによって香りや機能が異なり、アロマテラピーの基本となるものとして活用されています。

ここでは、精油の抽出に使われている植物の部位と使用する効果について解説します。

精油に使われる植物の部位

精油に使われている代表的な植物の部位は、以下のとおりです。

  • 果皮
  • 果実
  • 心材
  • 種子
  • 樹皮
  • 樹脂

植物の様々な部位を使って香りを抽出するのが特徴的ですが、精油を作るためには大量の原料が必要です。

精油1kgを作るためには、ラベンダーなら花穂を100〜200キログラム、ローズなら花を3〜5トンも用意しなければならず、精油が貴重であることがわかります。

精油にはさまざまな種類がありますが、代表的な種類としてはラベンダー、ペパーミント、オレンジ・スイートなどが挙げられます。

精油の効果

精油に期待される効果はさまざまですが、代表的なものが以下の2点です。

効果精油に含まれる作用
身体の健康増進作用・神経系の動きを抑えてリラックスさせる
・胃腸の消化活動をサポートして食欲を増進する
・ホルモン分泌を調節する
・免疫機能を向上させ活性化する
制菌作用・抗菌と抗真菌で細菌類の増殖を抑制する
・ウイルスの増殖を抑制する
・虫を寄せ付けない

アロマテラピーとして身体の健康のために精油が活用されていることはご存じの方も多いかもしれませんが、精油はそれ以外に細菌やウイルスなどの制菌作用も持ち合わせているのです。

実際の研究データからも、浴槽のカビに対してはラベンダーやティートリー、白癬菌にはカモミール・ローマンやティートリーが効果的だとされています。

精油(エッセンシャルオイル)とアロマオイルの違い

アロマテラピーでは精油(エッセンシャルオイル)のほかにもアロマオイルを用いることがありますが、この二つには明確な違いがあります。

精油アロマオイル
特徴 植物から抽出した天然成分合成香料やキャリアオイルで希釈している
用途・リラックス
・細菌の増殖防止
・虫除け など
香りを楽しむ
価格帯高価安価

精油は、100%天然天然の植物由来であり、種類によっては肌に塗布したり、ごく少量であれば経口摂取できるものもあります。一方、アロマオイルは一般的に香りを楽しむことを目的としており、肌への使用は推奨されていません。

アロマオイルは、安全性や機能性が精油ほど厳密に保証されていない場合があるため、使用目的を考慮した使い分けが重要です。

精油の作り方

精油の作り方はいくつかありますが、植物の特性によって向き・不向きがあるので、植物の種類や用途にあわせて選びましょう。

ここでは、精油の作り方5種類を解説します。

1.水蒸気蒸留法

水蒸気蒸留法は、水蒸気を使った方法です。

釜に残る水にも微量の精油が残っている場合は、芳香蒸留水(フローラルウォーター)として化粧水 などに利用されています。

多くの精油が水蒸気蒸留法で作られていますが、水や熱との相性の悪い植物(柑橘類や花 など)には使えない方法です。

2.圧搾法

圧搾法は、柑橘類の果皮を機械に入れて圧搾する方法です。

水や熱を加えないことで、植物本来の成分と香りを損なうことなく抽出できるため、水蒸気蒸留法が難しい柑橘類からも、高品質なエッセンシャルオイルを効率的に生産できます。

3.溶剤抽出法

溶剤抽出法は、温めたヘキサン、アセトン、石油ベンゼンなどの揮発性溶剤(気化しやすい液体)に植物を入れて出てきた精油成分をエタノールと低圧の作用で抽出する方法です。

溶剤抽出法で抽出したものは「精油」ではなく「アブソリュート」と呼びます。

ただし、樹脂から抽出した樹脂製物質(フランキンセンス、ベンゾイン、ミルラなど)は「アブソリュート」ではなく「レジノイド」と呼びます。

アブソリュートには残留物質が残りやすいので、この量によって品質が変わります。

4.超臨界抽出法

超臨界抽出法は、二酸化炭素に超高圧をかけた状態のところに植物をおおいて精油成分のみを吸着する方法です。

1970年代に開発された抽出方法で、当時は精度の高い抽出方法として注目されたものの、大きな設備が必要なためコストや設置の側面から広くは普及していません。

5.マイクロ波抽出法

マイクロ波抽出法は、専用容器の中に植物を入れて、マイクロ波を照射して出てきた精油成分を蒸留する方法です。

兼松エンジニアリングのマイクロ波抽出装置を使うと、減圧低温抽出で高品質の精油を作ることができます。

詳細については、こちらのページをご覧ください。
http://kanematsu-mwextract.jp/

精油の作り方を選ぶ基準

精油作りでは、おもに水蒸気蒸留法が活用されていますが、植物の種類や用途によってはより適した作り方があります。

ここでは、精油の作り方を選ぶ基準について解説します。

高い抽出品質の維持

また、熱や水に弱い植物から精油を作ろうとしているのであれば、水蒸気蒸留法は利用できないので代わりになる抽出方法を選ぶようにしてください。

ランニングコストの削減

水蒸気蒸留法は、大量の水消費、蒸留時間の長さ、抽出後の果皮を含む水処理などさまざまな問題点を抱えています。

伝統的かつ利用率の高い方法ではあるものの、環境への配慮やランニングコストの削減による価格設定で競合他社との差別化を図るためには、新しい技術の活用も必要です。

たとえばマイクロ波抽出方法は、植物が持つ水分のみで加熱するので水の消費や処理のコストを半分以下に抑えられ、オール電化であるためCO2排出をゼロにできます。

生産現場でのCO2排出量を

企業が新製品・新商品の開発をするために設備や機械を導入する場合、税制面での優遇措置を受けられることがあります。

企業で新開発や製造効率の向上を目指すのであれば、優遇措置の適用要件を確認したうえで、設備投資の費用を抑える方法を選びましょう。

アフターフォローの充実度

精油を抽出するための装置や設備については、使い方が複雑だったり、原因不明の故障が起きたりする恐れがあります。

製造や開発において設備不良や故障が発生すると、事業収益にも悪影響が出るので、アフターフォローをしてもらえるかどうかが重要です。

メーカーの担当者が使い方をレクチャーしてくれるのか、設備を導入してから定期的にメンテナンスをしてくれるのかを確認しましょう。

兼松エンジニアリングでは、マイクロ波抽出装置を導入した1年目に無料点検、2年目以降は有償での点検やメンテナンスを実施しているので、装置を長く使い続けることができます。

詳細については、こちらのページをご覧ください。
http://kanematsu-mwextract.jp/

まとめ

精油の作り方はさまざまあり、水蒸気蒸留法が主流ですが、ランニングコストの高さや熱や水に弱い植物との相性の悪さが懸念されています。

一方のマイクロ波抽出装置は、ランニングコストを水蒸気蒸留法の半分以下に抑えられ、熱や水に弱い植物にも使えるため、非常に利用しやすいです。

兼松エンジニアリング株式会社では、マイクロ波抽出装置を取り扱っていますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。


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