
規格外のトマトとは、大きさや色、形が市場や出荷組合が定めた出荷規格を満たしていないトマトのことです。
トマトをはじめとした野菜には規格が設けられており、基準を満たしていないと規格外に分類されます。
この記事では、規格外トマトの概要や規格外になるとなぜ廃棄されるのか、さらには規格外野菜が引き起こす問題などについて解説しています。
最後には規格外トマトをどのようにして処理するのかについても取り上げているため、ぜひ参考にしてください。
規格外のトマトとは

規格外のトマトとは、大きさや色、形が市場や出荷組合が定めた出荷規格を満たしていないトマトのことです。
トマトをはじめとした野菜には規格が定められていて、規格外となる野菜はそれぞれの種類に存在しており、「規格外野菜」と呼ばれています。
トマトなどの規格は大きさや色、形などで振り分けられており、その基準を満たしていないと規格外に振り分けられます。
規格外野菜となると、スーパーなどの店頭に並べられず廃棄されるほか、通常よりも安い価格で販売されたり、他の方法で活用されることも多いです。
規格外のトマトが廃棄される理由
先ほども触れているように、規格外となったトマトをはじめとする野菜は廃棄されるケースが少なくありません。
なぜ廃棄されるのかというと、基準を満たしておらず、形や大きさが規格内のものと比べると異なっているためです。
規格外だからといって味や栄養素に違いがあるわけではありません。
しかし、スーパーなどの店頭で野菜を選ぶ際に、明らかに小さい、傷がついているといったトマトを好んで選ぶ人は少ないでしょう。
売れ残る可能性が高いこともあって、小売業者では規格外野菜を積極的に取り扱おうとはせず、結果的に規格外野菜は流通されず、廃棄されてしまいます。
規格外のトマトが引き起こす問題

規格外のトマトであっても、基本的に味も栄養素も変わりありませんが、その見た目から消費者からの需要が低く、廃棄されてしまいます。
そうなるとフードロスを助長する結果につながってしまいます。
フードロスとは、食べ物が大量に廃棄されてしまう問題のことです。
日本では食べ物に困ることは基本的にありませんが、世界ではその日の食糧を確保するだけでも大きな労力を必要としている人が少なくありません。
2017年の農林水産省のデータによると、1年間のフードロスは約612万トンで、これは東京ドーム5杯分に上ります。
世界全体で見ると13億トンが1年間で廃棄されている状況です。
食糧に困っている人がいる中で、これほど多くの食べ物が廃棄されている状況が望ましいものではないことは明確です。
また、フードロスは、食糧を廃棄することでそれに伴う問題も引き起こします。
例えば、野菜を廃棄する際に使用するトラクターは排気ガスを排出します。
また、焼却して廃棄する場合温室効果ガスを排出するため、結果的に地球温暖化も促進する可能性があります。
規格外のトマトに分類される理由

トマトなどの野菜が規格外かどうか分類される理由としては、以下のような点が挙げられます。
・流通を合理化するため
・出荷・取引作業を簡素化するため
・消費者のニーズに合わせるため
トマトなどの野菜が規格外に分類される理由の1つが、流通の合理化です。
規格に適した野菜と規格外の野菜とに分けることで、大きさがある程度統一されるため箱詰めがしやすくなり、綺麗に収納できるようになります。
また、学校の給食など機械調理の多い現場では形が揃っている方が作業が進めやすいとされています。
そのほかにも、出荷・取引作業の簡素化も理由として挙げられます。
これは、規格を統一しておくことで、産地が違う野菜であっても価格を揃えて店頭に並べることなどができるためです。
さらに消費者のニーズも規格外野菜においては重要なポイントです。
消費者の中には形が綺麗でない野菜を好まない人もいます。
形が悪い、傷ついているといった野菜は手にとってもらいにくいため、結果的に売れ残ってしまう可能性が高くなるため、規格外野菜として最初の段階で取り除いておく必要があるのです。
規格外のトマトと正規のトマトの違い

規格外のトマトと正規のトマトにはどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは具体的な違いについて解説しています。
見た目
規格外野菜と正規品の最も大きな違いはその見た目にあります。
例えばサイズが大きい、小さいといった違いや傷がついているといった点などが挙げられます。
また、太すぎるために規格外になるケースもあるでしょう。
価格
規格外野菜は正規品と比べると価格が安い傾向にあります。
これは、正規品と同じ価格で販売しても、見た目の悪さや傷などによって手に取る人が少ないためです。
一方で、見た目が悪くても味や栄養素に違いはないため、価格を安くすることで購入する人は多くなると考えられます。
価格の安さは規格外野菜の特徴の1つです。
味・栄養素
規格外野菜は見た目や価格に違いはあっても、味や栄養に違いはありません。
そのため、カットして調理してしまえば、規格外野菜も正規品も見分けがつかないでしょう。
また、規格外という名称から安全性が低そうなイメージを持っている人もいるかもしれませんが、そのような心配もありません。
あくまでも見た目が出荷規格を満たしていないという理由で分類されているだけです。
規格外のトマトを処理する方法

ここでは規格外のトマトをどのようにして処理すればいいのか解説します。
見た目以外は正規品と同じ規格外のトマトですが、その処理方法はさまざまです。
工夫次第で規格外野菜の廃棄を減らすこともできるため、ぜひ参考にしてください。
ECサイトで販売する
規格外のトマトを処理する方法の1つがECサイトでの販売です。
近年ではECサイトで規格外野菜を販売するケースが増えてきました。
正規品と並んで規格外野菜を販売する状況だと、どうしても見た目の悪さから手にとってもらえる可能性が低くなりますが、最初から規格外野菜として販売することで低価格の野菜を求める人、見た目を気にしない人などが購入してくれる可能性があります。
また、生産者の顔が見え、直接購入できるサイトもあるため、購入者は安心した状態で野菜を購入できる点もメリットです。
加工して販売する
繰り返しの説明となりますが、規格外野菜はあくまでもその見た目が正規品と異なるだけであるため、加工してしまえば規格外かどうかは関係なくなります。
規格外のトマトであれば、例えばジュースにして販売する、ジャムやゼリーにして販売するなど、加工の手間を加えることで購入してもらいやすくなるでしょう。
規格外野菜は味や栄養素に関しては正規品と変わりないため、加工して販売しても品質に違いはありません。
フードバンクに提供する
フードバンクに提供する方法もあります。
フードバンクとは、味や品質に問題がないものの傷や破損など、見た目の悪さによって流通できない食品を寄付してもらい、食糧を必要としている施設や世帯に無料で提供する活動のことです。
この方法であれば、規格外野菜を廃棄することなく、食糧を必要としている人の元へ届けられるため、無駄をなくしつつ人助けができます。
抽出装置を活用する
抽出装置を使って、規格外のトマトなどの野菜から野菜の成分を抽出して活用することも可能です。
例えば、兼松エンジニアリングの抽出装置では、柚子の搾汁果皮から精油や芳香蒸留水を抽出し、食品や化粧品として利用されています。
また、トマトを低温濃縮して調味料開発に用いたり、オリジナルフレーバー飲料の開発に活用したりとその用途はさまざまです。
まとめ

今回は、規格外のトマトの概要や規格外野菜が発生する理由、規格外トマトの処理方法などについて解説しました。
規格外のトマトとは大きさや色、形が市場や出荷組合が定めた出荷規格を満たしていないトマトのことです。
流通の合理化や出荷・取引作業を簡素化、消費者ニーズへの適応などを目的として、野菜には規格が設けられており、基準を満たしていない野菜は規格外野菜に分類されます。
規格外野菜は市場でのニーズが低いこともあって、フードロス問題を助長する恐れがあります。
近年ではECサイトでの販売や加工しての販売など規格外野菜を活用するさまざまな取り組みが行われています。
兼松エンジニアリングの抽出装置の導入も活用の1つです。
興味のある方は、兼松エンジニアリングまでお問合せください。
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