蒸留は英語で何と呼ぶ?蒸留の原理や利用例なども紹介

液体を沸騰させた後に冷却し、純度の高い物質を得る手法を蒸留と呼びます。

それでは蒸留は英語で何と呼ぶのでしょうか。

本記事では蒸留の英語での表現方法から蒸留の原理、利用例まで詳しく紹介します。

蒸留は英語で「distillation」

蒸留は英語では「distillation」と表現します。

英語の「distill」は動詞で蒸留するという意味で、それを名詞化したものが「distillation」です。

例えば、「Distillation is the process of separating alcohol from ethanol water.」という英文は、「蒸留とはエタノール水からアルコールを分離するプロセスです。」となります。

蒸留と関連するワードの英語表現

蒸留に関連するワードには液体や蒸気、蒸留酒などさまざまな表現が存在します。

以下では蒸留と関連するワードについて、英語での表現方法を紹介します。

液体:liquid

液体は英語では「liquid」と表現されます。

水や液体を表す英語表現はたくさんあり、その中で「liquid」とは物理的な状態としての液体のことです。

また、似たような表現の「fluid」は流体という意味で、液体としての性質を強調した表現です。

蒸気:vapor

蒸気は英語で「vapor」です。

また、比喩的な表現として「vapor」で消えやすいものや一時的なものを示す場合があります。

「steam」も蒸気という意味ですが、「steam」は特に高温な蒸気を示す表現です。

そのため、蒸気機関車を英語で表現する場合は「steam locomotive」となります。

蒸留酒:distilled liquor

蒸留酒は英語で「distilled liquor」と呼びます。

「liquor」とは英語でお酒のことです。

また、蒸留酒を表現する英語には他にも「distilled beverage spirits」や「spirits」などがあります。

蒸留酒とは醸造酒を蒸留して得られるお酒のことであり、ウイスキーや焼酎、ブランデーなどのことです。

蒸留器:distiller

蒸留器を英語で表現すると「distiller」です。

また、「distiller」には酒造家という意味もあります。

ただし、蒸留器という意味の英語には「distillation equipment」や「distillation apparatus」、「still」などもあり、表現方法はさまざまです。

「an apparatus used for the distillation of liquids」のように文章で表現するケースもあります。

蒸留水:distilled water

蒸留水とは精製水のことで、不純物などが取り除かれている点が特徴です。

一般的に、蒸留水は水溶液の希釈や実験器具の洗浄など工業的な用途で利用されています。

「distilled water」は多くの分野で使われている表現のため、覚えておくとよいでしょう。

蒸留の原理

ここまで、蒸留に関連するワードについて紹介しました。

ここでは、蒸留とはどのような原理で行われる手法なのか詳しく解説します。

液体を沸騰させて出てくる気体を冷やして液体を集める

蒸留とは液体を加熱し沸騰させて、生じた蒸気を冷やして液体を集める手法のことです。

沸点の差異を利用することで特定の物質のみを高純度で取り出せます。

混合物を加熱すると沸点の低い物質から蒸発して気体となるため、気体を集めて冷却すれば目的の物質のみを回収できる仕組みとなっています。

混合物を分離したい場合に行われる蒸留には、混合物の性質や組成に合わせてさまざまな方法が存在します。

主な蒸留方法

主な蒸留方法を以下にまとめました。

蒸留の種類        特徴
単蒸留基本的な蒸留方法
減圧蒸留減圧、あるいは真空に近い状態にして沸点を下げる手法
分留 連続して蒸留を繰り返して混合物の成分を精密に分離する手法
水蒸気蒸留水に溶けない物質を水とともに加熱して水蒸気として回収し冷却して取り出す方法

一般的に蒸留と呼ばれる場合は、単蒸留を指します。

蒸留の利用例

蒸留は幅広い業界において重宝されている手法です。

以下では実際に蒸留が利用されている具体例を紹介します。

蒸留酒の製造

醸造酒を何度も蒸留することでアルコール度数が高まっていきます。

ブランデーやラム、テキーラなどアルコール度数が高いお酒は基本的に蒸留酒です。

蒸留酒は世界中で愛されており、特にウイスキーは多くの人から支持されています。

蒸留をする回数によってウイスキーの種類が異なり、味や香りなどに違いがあります。

原油からガソリンの精製

さまざまな石油製品が原油を蒸留することで精製されており、その中でも重要なものがガソリンです。

原油から精製されるものはガソリン以外にも重油や灯油、軽油、LPガスなどがあります。

ガソリンなどの石油製品を精製するための施設が常圧蒸留装置です。、一般的には高さが数十メートルに達する巨大なものが使用されています。

蒸留による工業用水のリサイクル

工場で発生する工業用水を蒸留によってリサイクルする事例があります。

特定の物質を回収することができれば、再び工場の製造プロセス内で使用できます。

減圧蒸留では低温で抽出作業を進められるため、液質への影響を抑えながら物質を取り出すことが可能です。

工業用水のリサイクルは環境汚染の低下にもつながるため、社会的責任を果たす企業として信頼を得ることにもつながります。

蒸留による精油・ハーブウォーターの抽出

植物から蒸留によって精油やハーブウォーターを抽出できます。

植物中の精油成分を水蒸気と一緒に回収し、水蒸気を冷却することで水と精油の2層に分かれた液体を得られます。

精油を分離して残った水には微量の精油成分が含まれており、ハーブウォーターとして利用可能です。

ただし、水蒸気蒸留法ではデリケートな成分を壊すことがあり、その課題を克服するために近年ではマイクロ波抽出装置が注目されています。

蒸留の事業化には蒸留装置が必要になる

蒸留を利用して事業化するには蒸留装置を導入しなければいけません。

蒸留装置について重要なポイントを解説します。

蒸留装置はさまざまな目的に利用されている

蒸留装置は食品メーカーや飲料メーカー、酒造メーカー、化粧品メーカーなど多くの分野で利用されており、重要な設備として重宝されています。

例えば、原料からアロマオイルを取り出して、アロマ成分配合の飲料水やお酒、化粧品などをつくることが可能です。

利用する原料植物の種類によって異なる成分を得られるため、蒸留装置は商品開発の幅を広げてくれます。

水蒸気蒸留装置が普及している

蒸留装置の中でも特に普及しているのは水蒸気蒸留装置です。

水蒸気蒸留は混合物に水蒸気を加えることで沸点を下げられます。

より低温で抽出作業を進めることができるため、汎用性の高い手法といえるでしょう。

そこで、熱に弱い成分を抽出するための技術として登場したものがマイクロ波抽出装置です。

マイクロ波抽出装置であれば熱に弱い素材にも対応できる

マイクロ波抽出装置とは、マイクロ波によって水を使わずに蒸留できる装置のことです。

マイクロ波抽出装置は減圧下で沸点を下げた状態で利用できます。

廃棄物を処理するコストを抑えられるため、安価で蒸留を行えます。

従来の水蒸気蒸留法の持つ欠点を克服したものがマイクロ波抽出装置です。

参考:http://kanematsu-mwextract.jp/

マイクロ波抽出装置による蒸留に興味のある方は兼松エンジニアリングにお問い合わせを

蒸留は英語では「distillation」と表現され、沸点の差を利用して混合物から特定の物質を抽出する手法です。

蒸留は幅広い業界で重宝されており、ガソリンの精製や工業用水のリサイクル、精油・ハーブウォーターの抽出などに活用されています。

ただし、一般的な蒸留方法は熱に弱い成分を取り出すのが困難な点に問題を抱えていました。

近年はマイクロ波抽出装置が登場したことにより、デリケートな成分の抽出も実現できるようになっています。

マイクロ波抽出装置に興味のある方は、ぜひお気軽に兼松エンジニアリング株式会社までお問い合わせください。


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