蒸留とは? 原理や定義・種類について解説

蒸留は、古代ギリシア時代から行われてきた混合物を分離する方法です。

食品・医薬品・工業製品を製造する過程で広く利用されています。

本記事では、蒸留の定義や原理から蒸留を活用する方法まで、分かりやすく解説します。

蒸留とは?

はじめに、蒸留の原理や目的を解説します。

蒸留は、食品から工業製品まで幅広く利用されている方法です。

私たちの身の回りにも、蒸留を利用した製品があります。

蒸留の定義

地球上にある物質の多くは異なる液体同士が混じり合っていたり、液体の中に固体が溶けていたりします。

一例を挙げると、海水です。

海水は真水の中に塩が混ざっています。

蒸留を利用すれば海水から真水を抽出したり、塩を採取したりすることが可能です。

また、お酒を蒸留すると水分が揮発して、アルコール分が濃縮されます。

この仕組みを利用したのが、蒸留酒です。

蒸留の歴史は古く、古代ギリシア時代から始まったという説もあります。

蒸留の原理

蒸留は、混じり合った液体の沸点に差があることを利用して分離します。

蒸留酒の場合、エタノール(飲用アルコール)の沸点は78.3℃です。

一方、水の沸点は100℃です。

エタノールが溶けた水を加熱すると、まずエタノールが先に蒸発します。

なお、液体を加熱して気体にし、その後冷却して再び液体に戻す作業を「蒸留」、沸点の差を利用して2種類以上の物質を段階的に分離していく作業を「分留」と呼び分けることもあります。

分留の代表例は、原油から石油やガソリンを分離する作業です。

分留の技術を使えば、原油のような沸点が近い複数の物質が混じり合っている物質でも、きれいに分離できます。

蒸留の用途

蒸留は、2種類以上の液体や、液体と固体が混じり合った物質を分離することで、物質の純度を上げて高品質の物質を作るために用いられます。

一例を挙げると、蒸留酒、ガソリン、石油、蒸留水などです。

また、空気から酸素と窒素を作り出す作業も蒸留が必要になります。

原油を異なる温度で加熱することで、LPガス、ガソリン、灯油、軽油、アスファルトなどが製造できます。

蒸留の種類

蒸留には、複数の種類があります。

主な種類を挙げると、以下の表のとおりです。

名称方法利用目的
単蒸留沸点の差を利用して2種類以上の液体を分離させる際に用いる
蒸留の最も基本的な方法。
沸点の差が大きかったり不純物が揮発しない性質を持ったりしている物質の場合に用いられる。
蒸留酒の製造
分留2種類以上の液体を分離する場合や、沸点が近い物質同士が混じり合った物質を分離する際に用いる。
1回の蒸留で精密な分離が可能。
石油精製
減圧
(真空)
蒸留   
沸点が高い物質を蒸留する際、減圧して沸点を下げて蒸留する方法。
100℃を超える沸点の物質を蒸留する場合に用いられる。
有機化合物の分離精製
分子蒸留熱に不安定な物質を蒸留する際に用いる方法。
装置を高度な真空にして蒸留を行う。
ビタミンの濃縮
潤滑油の生成
水蒸気蒸留     不溶性物質を蒸留したい場合に用いる方法。
100℃以下で蒸留して水蒸気と共に物質を流出される。
エッセンシャルオイル、フレーバーオイルなど

どのような物質を蒸留したいかによっても、適した方法が異なります。

新しく蒸留設備を作りたい場合は、蒸留する物質、製造したい物質などを明確にしたうえで目的に合った方法を選びましょう。

蒸留は地域振興にも役立つ

蒸留は、工業製品や食品といった幅広い製品を製造する際に使われる技術です。

そのため、地域振興にも役立ちます。

一例を挙げると蒸留酒の製造や、オリジナルのアロマオイル、化粧品の製造などに蒸留の技術は欠かせません。

近年は、焼酎や日本酒だけでなくご当地ウィスキーやジンを製造して名産品として売り出す地域も増えました。

特に、ジンは大手酒造メーカーも販売に力を入れており、これから人気が高まる可能性も十分にあります。

また、果物や野菜などの特産品のエキスを抽出してお酒と混ぜてリキュールにしたり、化粧品やフレーバーオイルを製造して、新しい名産品として売り出す地域もあるほどです。

野菜や果物が特産品の場合、ブランドを保つため基準が厳しくなり、どうしても規格外なものが発生することは避けられません。

ブランド果物など商品価値が高いものほど、規格外な果物や野菜が増えれば、損失も多くなるでしょう。

規格外の製品をそのまま販売するわけではないので、値崩れを起こす心配もありません。

蒸留を行う装置もコンパクトなものが多く、蒸留する物質によっては既存の施設をリフォームすれば、設置も簡単です。

リキュール製造ならマイクロ波抽出装置が便利

リキュールなどの食品を製造するために蒸留装置を導入したい場合は、兼松エンジニアリングの「マイクロ波抽出装置」がおすすめです。

低温抽出で香りを抽出するので、熱に弱い香りの成分も壊すことなく抽出ができます。

特に、柑橘系の香りは熱に弱いので、ミカンやハッサク、レモンなどのフレーバーを抽出したい場合に適しています。

また、オイルを抽出する際に添加物を使う必要もありません。

このほか、抽出時間も短く、ボイラー式水蒸気蒸留装置よりランニングコストを約半分に抑えられます。

「地域の特産品である果物や野菜等を利用して、新しい名産品を作りたい」「予算に限りがあるので、高価な設備は利用できない」といった希望や悩みを抱えている方は、兼松エンジニアリングまでご相談ください。

打ち合わせは対面のほか、weWEB(オンライン)でも可能です。

また、導入された方の声もホームページに記載してあるので、確認いただけます。

参考:http://kanematsu-mwextract.jp/

まとめ

今回は、蒸留の定義や利用方法、用途について解説しました。

蒸留は、私たちが利用しているさまざまな製品を製造する際に使われています。

これからも、新しい蒸留技術ができる可能性も十分にあるでしょう。

また、蒸留設備を利用すれば、野菜や果物等の特産品からエキスを抽出して新しい名産品を作ることもできます。

そのままでは販売できない規格外品の活用方法としても有効です。

また、無添加製法なので、抽出したエキスは安心して食品や化粧品に利用できます。

製品には特許を取得したレシピ機能がついており、運転条件を登録しておくことで、次回以降はメニュー選択、スタートボタンを押せば抽出が始まります。

運転に専門的な技術や知識は必要ありません。

アフターサービスも充実しており、装置納入後の1年目点検は無償で行っており、2年目以降も訪問点検を実施しています。

導入を検討している方は、まずお問合せください。

対面やWEB(オンライン)で面談や説明を行ったうえで、サンプル試験や現地調査を実施したします。

お問い合わせは電話のほかホームページ経由でも可能です。


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