化粧品原料として使用される精油とは?抽出方法や事例を解説

精油は自然の植物から抽出されるオイルです。

フローラル系や柑橘系、ハーブ系などさまざまな種類があり、化粧品原料としても使用されています。

この記事では、化粧品原料として使用される精油を種類別に紹介します。
ぜひ自分好みの香りを見つけてください。

あわせて、植物から精油を取り出す代表的な方法も詳しく解説します。

化粧品原料として使用される精油とは

精油は、植物の花、葉、樹皮、根、果実などから抽出される揮発性の芳香物質です。

精油は「エッセンシャルオイル」とも呼ばれ、植物の芳香成分が高濃度で凝縮されています。

そのため、精油が使用されている化粧品は香りのよさが特徴です。

それだけでなく、精油には抗菌、抗炎症などのさまざまな効能があります。

化粧品原料として使用される代表的な精油の種類

精油にはさまざまな種類があり、それぞれ効能や香りが異なります。

よって、精油の種類や特徴を知っておくことで、自分に合った精油を選びやすくなるでしょう。

ここでは、化粧品材料として使用される精油のうち、代表的な4種類を紹介します。

フローラル系

フローラル系の精油は、植物の花から抽出されることがほとんどです。

しかし、なかにはパルマローザのように葉から抽出するものもあります。

フローラル系の精油は全体的に甘く華やかな香りが特徴的です。

なかでもローズオイルは特に香りが華やかで、ストレスを緩和し、気持ちをポジティブにする働きがあります。

主なフローラル系の精油ラベンダー・ローズ・ジャスミン・ゼラニウ
ム・イモーテル・カモミール・ネロリ・パルマ
ローザなど
効能ストレスの緩和・リラックス効果

柑橘系

柑橘系の精油は爽やかな香りが特徴です。

グレープフルーツやベルガモットなどリフレッシュ効果のある精油が多く見られます。

また、胃腸の調子を整える効能を持つものが多く、ストレスの緩和や気分の向上にも効果的です。

主な柑橘系の精油オレンジ・レモン・グレープフルーツ・ベルガモット
マンダリン・ライム・シトロネラ・ユズなど
効能リフレッシュ効果・ストレス緩和・胃腸の調子を整える

ハーブ系

ハーブ系の精油は、植物の花や葉から抽出されます。

ハーブは民間薬としての歴史が古く、古代ギリシャ時代から病気の治療に利用されてきました。

そういった背景もあり、抗菌・抗炎症作用、消臭、防虫効果があるものが多く含まれます。

なかでも、ティートリーは抗菌・抗炎症作用が強く、現代でもニキビケア製品に重宝されています。

主なハーブ系の精油ティートリー・ペパーミント・ユーカリ・アンジェリ
カ・マージョラム・マヌカ・クラリセージ・ローズマ
リーなど
効能抗菌作用・抗炎症作用・消臭・防虫

樹木系

樹木系の精油は、樹皮、枝、葉から抽出されています。

森林の中にいるような清涼感のある香りが特徴です。

樹木系の精油はリフレッシュ効果のほか、集中力を高める効果も期待できます。

主な樹木系の精油シダーウッド・パイン・プチグレン・ユーカリ
ジュニパー・ローズウッドなど
効能リフレッシュ効果・集中力を高める効果

精油の抽出方法

精油を取り出す方法はさまざまです。

抽出したい精油の種類によって取り出し方も変わってきます。

ここでは、代表的な精油の抽出方法を4つ紹介します。

水蒸気蒸留法

水蒸気蒸留法は、最も一般的な精油の抽出方法です。

ローズマリーやラベンダーなど、多くの精油がこの方法で抽出されます。

水蒸気蒸留法の作業工程は以下のとおりです。

  • 原材料となる植物を蒸留釜に入れ、下から水蒸気に通す
  • 蒸されて気化した芳香成分を蒸気とともに抽出する
  • 抽出物を冷却して液体にする
  • 比重の差によって、液体を2つに分離する
  • 液体の上部に精油、下部に芳香蒸留水ができる

ハーブ系の精油を中心に、水蒸気蒸留法はさまざまな精油の抽出に利用されています。

また、水蒸気蒸留法のメリットは以下の3つです。

  • 一度に多量の精油を抽出できる
  • 比較的低コストで済む
  • ほかの生成方法と比べると設備がシンプルで操作しやすい

上記のようなメリットがあるため、よく利用されています。

マイクロ波抽出装置を利用した蒸留方法

  • 減圧による低温抽出のため、低沸点の芳香成分を逃さない
  • 短時間で抽出ができる
  • 装置のフルオート運転が可能(タッチパネルで簡単に操作できる)
  • オール電化で環境にやさしい
  • マイクロ波エネルギーの99%が熱エネルギーに変換されるため高効率である

この「マイクロ波抽出装置」は兼松エンジニアリング株式会社が製造しており、「大量に廃棄処分されている柚子の搾りかすを有効活用したい」という声から開発された製品です。

圧搾法

圧搾法は、主に柑橘類の果皮から精油を抽出する際に用いられます。

機械で果実を丸ごと潰し、その後に果汁と精油を分離します。

圧搾法の作業工程は以下のとおりです。

  • 原材料となる果実を潰す
  • 機械で圧力をかけ、果皮と果実から液体を絞り出す
  • 絞り出した液体をフィルターでろ過し、固形物を除去する
  • 比重の差によって液体を分離する 上部は精油、下部は果汁に分かれる

また、圧搾法のメリットは以下の3つです。

  • 熱を加える作業工程がない
  • 比較的低コストで済む
  • 抽出したオイルの香りが天然の果実に近い

天然の香りにこだわりたい方におすすめの方法です。

超臨界抽出法

超臨界抽出法は、二酸化炭素の性質を活用する方法です。

ほかの生成方法と比べると新しく、高度な技術が必要です。

ただし、コストがかかるため普及率は高くありません。

また、溶媒である二酸化炭素は気体へ戻るため、残留物がないことが特徴です。

超臨界抽出法の作業工程は以下のとおりです。

  • 二酸化炭素を100気圧ほどに加圧し、気体・液体の両方の性質を持った「超臨界流体」の状態にする
  • 加圧した二酸化炭素を原材料の植物に混ぜる
  • 二酸化炭素中に原材料の芳香成分が溶け出す
  • 圧力を戻すと二酸化炭素が気体に戻り、液体の精油だけが残る

また、超臨界抽出法のメリットは以下の2つです。

  • 低温で抽出するため、原材料である植物の香りを損なわずに引き出せる
  • 残留物が残らないため、廃棄物が発生しない

廃棄物が発生しないなどのメリットもありますが、コストがかかるデメリットも理解しておきましょう。

化粧品原料の精油抽出のことなら兼松エンジニアリング株式会社に問い合わせを


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