
規格外野菜という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
大きさや形、色などの一定の規格を満たさない野菜のことです。
これまで規格外野菜は私たちの目に触れることなく、廃棄するのが一般的でした。
見た目に難ありという理由だけで廃棄されるのは、もったいない話です。
そこで規格外野菜の廃棄量を減らす試みもいろいろと行われています。
今回は規格外野菜に焦点を絞って紹介します。
年間で野菜はどれだけ廃棄されている?

そもそも野菜はどれだけ消費されることなく、毎年廃棄されているのでしょうか。
結論から言えば、規格外野菜などの廃棄量を直接示すデータはありません。
ただしその他のデータから、年間どのくらい野菜が廃棄されているか推測するのは可能です。
農林水産省が発表した令和4年度の作物統計調査によると、野菜の収穫量は1,284万2,000トンなのに対し、出荷量は1,113万7,000トンでした。
ここから差し引き170万5,000トンが出荷されていないことになるので、そのうちの多くが廃棄されている可能性が考えられます。
近年の推移を見ても、年間の収穫量やそれに対する出荷量にはあまり大きな上下動はありません。
野菜廃棄の大きな原因となっている規格外野菜

毎年170万トン程度の野菜が流通せず、その多くが廃棄されている理由の一つに、今回紹介する規格外野菜があります。
規格外野菜とはどのようなものかについて、まずは見ていきましょう。
規格外野菜とは?
規格外野菜とは文字通り、規格を満たさない野菜のことです。
サイズや色、形などの市場流通の規格が出荷団体ごとに設けられています。
味や品質についての規格ではないため、規格外野菜は見た目の規格を満たしていないだけです。
中には規格品と比較しても遜色ないだけの品質を保っているような規格外野菜もあるといわれています。
全国標準規格は廃止でも自主的に実施
野菜に関する規格は、1970年に農林水産省が野菜の全国標準規格を制定したのがきっかけで始まりました。
国が規格を設け、生産地への指導を行ってきました。
しかし、2002年に国の規格制度は廃止されています。
時代の変遷とともに、規格があることで流通の合理化が進まないとネックになったため、廃止にいたったわけです。
今でも規格があるのは、出荷団体が自主的に取り組んでいるためです。
規格が残っている理由としては、見た目が悪いと売れ残ってしまう、加工業者や飲食産業では不揃いな野菜は扱いにくいなどが挙げられます。
規格外野菜の消費者のニーズ
規格外野菜は本当に売れないのでしょうか?
少し前のデータになりますが、農林水産省は平成19年3月に「農産物の生鮮販売や加工・業務用途における多様なニーズに対応した取組の可能性」と呼ばれる資料を作成しました。
その中で、都内と千葉県のスーパーで規格外野菜に対する意識についてアンケートを実施しています。
「規格外野菜を購入したことがあるか」という質問に対して、「買ったことがある」と回答したのは79%でした。
購入したことはないけれども「今後買ってみたい」と回答した人も14%いるので、実に93%が規格外野菜が販売されれば購入してもよいと思っているわけです。
SDGsが世間でも広く認知されている現在、フードロスへの関心も高まりつつあります。
フードロスや食べ物の廃棄量を減らすために、規格外野菜の活用に関しても真剣に検討すべき時期に差し掛かっているといえるでしょう。
規格外野菜の廃棄量を減少させるための対策

規格外野菜に対する受容が一定程度あることは、先のアンケート結果でもお分かりでしょう。
実際、規格外野菜の廃棄量を削減させるための対策もいろいろと進められています。
主な対策について、ここで紹介しましょう。
「規格外野菜」として販売する
シンプルなのは、規格外野菜をそのまま販売する方法です。
規格を満たしていない野菜は、市場に出荷されることは基本的にありません。
しかし、市場に出荷する以外にも、販売方法はあります。
例えば、軒先販売や道の駅などで売り出す方法が考えられます。
さらに、通販サイトで販売する方法も考えられるでしょう。
市場に出すのではなく、飲食店などへ業務用として販売するチャンネルもあります。
加工品として消費
規格外野菜を加工して活用する方法も選択肢の一つです。
例えば、ジュースやジャム、ソースやケチャップなどの調味料で使用する方法が考えられます。
規格外野菜は見た目に問題があるために、流通させにくいものですが、加工品にして元の形が分からなくしてしまえば十分利用できます。
食べ物以外の使い道として活用
規格外野菜を食べ物としてだけでなく、他の方法で活用することにより廃棄量を減らす取り組みも進められています。
例えばクレヨンの原料として活用する方法です。
米油とライスワックスをベースにして、野菜の外葉などを原材料にしたクレヨンが既に販売されています。
野菜の持つ色素が、そのままクレヨンの色に反映されます。
野菜や米を中心に作られているので、安全性が高いのも魅力です。
万が一お子さんが誤って口に入れてしまっても、野菜が原材料なので安全です。
通販サイトとして販売
規格外野菜として販売する方法の中で少し触れましたが、通販サイトで販売する方法もあります。
大手食材宅配サービスの中には、規格外野菜をフードロス対策の一環として販売をスタートさせたところも見られます。
規格外野菜に特化して、通常よりもリーズナブルな価格で販売している宅配サービスも出てきました。
毎回注文しなくても定期的に自宅に野菜が届くようなサービスもあります。
手軽に安い価格で規格外野菜が届くサービスとして注目されつつあります。
抽出装置で有効成分のみを活用する
規格外野菜から抽出装置を使って得たエキスや濃縮ピューレを活用する方法があります。
規格外野菜はあくまでも見た目が基準に達していないだけで、品質そのものは規格品と比べても遜色ありません。
その特徴を利用して成分だけを抽出して活用しようというわけです。
兼松エンジニアリングの抽出装置は、ゆずの果皮やトマトからエキスや濃縮ピューレを抽出して、いろいろな用途で活用できます。
ゆずの果皮からは精油や芳香蒸留水が抽出可能で、化粧品などで使われる香料として利用されています。
トマトを濃縮することでソースに活用することも可能です。
また、オリジナルフレーバー飲料などの新商品として開発されることもあります。
抽出装置を利用すれば、今までよりも広範な用途で規格外野菜を活用できるかもしれません。
参考:http://kanematsu-mwextract.jp/
まとめ

規格外野菜は単に見た目に問題があるために、市場に出回らないのが現状です。
味や栄養価において規格品と遜色ないにもかかわらず、活用されずに廃棄されるのは、食料資源の有効活用の観点からも大きな損失です。
ここで紹介した調査においても、規格外野菜を購入することに抵抗のない消費者はかなりの割合に及びます。
実際、規格外野菜をそのまま廃棄するのではなく、別の方法で販売したり、再利用したりする試みが見られます。
加工食品の原料はもちろんのこと、化粧品など食べ物以外の方法で活用できる可能性があります。
未利用資源を新たな宝の山へ。
兼松エンジニアリングが提案する「マイクロ波抽出装置」は、野菜に含まれる有効成分を効率よく濃縮・抽出することを可能にします。
この技術の素晴らしい点は、その汎用性の高さにあります。
- 食品原料としての活用
- 化粧品や香料などの高付加価値製品への転用
- 素材の香りや色味だけを精緻に抽出する加工
このように、抽出装置は「形」という制約を取り払い、野菜が持つ本来の価値を多角的に引き出すことができます。
規格外野菜の廃棄を食い止め、新たなビジネスチャンスへと変えるために、抽出装置の導入は検討に値する極めて有効な選択肢と言えるでしょう。
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