蒸留水とは?精製水との違いおよび作り方を解説

水は私たちの生活に欠かせない存在であり、飲料水としてはもちろん、医療や工業分野でも重要な役割を果たします。

その種類にはさまざまなものがあり、用途によって適した水を選ぶ必要があります。

特に混同されがちな「蒸留水」と「精製水」ですが、実は異なる特性を持っているのです。

本記事では、精製水と蒸留水の違いを噛み砕いて解説し、蒸留水の特徴を紹介します。

蒸留水の作り方についてのほか、蒸留水を大量に作る方法も紹介しますので、用途に合わせて適切に活用しましょう。

精製水と蒸留水の違い

不純物を取り除いた水の総称を精製水と呼び、蒸留水はその一種です。

精製水には多くの製造方法があり、用途によって使い分けられます。

「精製水」という言葉の印象から、その全てを飲料水として用いられると思われがちです。

それぞれの特性を理解した上で、用途に適した水を選ぶことが重要です。

例えば、医療用には不純物を徹底的に排除した超純水が適しており、工業用にはRO水がよく使われます。

蒸留水は特に高い純度を求められる場面で利用され、飲料水として使用する場合にはミネラルを補うことが推奨されます。

ミネラルが入っていないと単純に美味しくない、などデメリットが発生するのです。

期待する効果が得られない可能性があるため、用途ごとの適切な水質を理解し、使用していくことが大切です。

精製水とは?

水中の不純物を除去した水のことを指し、さまざまな方法で作られる精製水。

精製水は、実験用の水、医療用途、工業用など幅広い分野で利用されています。

蒸留水以外での代表的な精製水についてそれぞれの特徴を詳しく説明します。

精製水の選択肢が多いのは、異なるそれぞれの用途ごとに最適な水質が求められるためです。

ご自身の用途に合った精製水を選びましょう。

超純水

特に、半導体製造や医薬品製造の工程では、極めて純度の高い水が求められるため、超純水が活用されます。

超純水は、わずかな不純物でも製品の品質に影響を及ぼす業界で不可欠な存在です。

また、超純水を使用することで、機器の寿命を延ばし、品質管理を徹底することができます。

RO水

飲料水のほか、病院での点滴や医療器具の洗浄、工場での精密機器の冷却水としても利用されます。

また、RO水は塩分の除去にも優れているため、海水の淡水化技術にも利用されています。

加えて、RO水はボトルウォーターとしても販売されており、安全な飲料水として一般家庭でも使用されているのです。

イオン交換水

飲料水としても利用される場合がありますが、ミネラル分が含まれていないため、用途を考慮することが必要です。

家庭用浄水器にもこの技術が応用されており、水の硬度を下げることで、調理やお茶の風味を向上させる効果もあります。

また、コーヒーや紅茶の味を際立たせるために、イオン交換水を使用することもあります。

蒸留水の特徴

蒸留水は、雑菌が混入しない限り腐敗しにくく、医療用や実験用としてもよく利用されるのが特徴です。

なお、純水は不純物を含まない、もしくはほとんど含まない水の総称を指します。

また、蒸留水は飲料水にもなりますがミネラル分が含まれないため、長期的な飲用には注意が必要です。

化粧水の基材やスチームアイロンの水としても利用され、日常生活でも役立つ場面が多くあります。

蒸留水のメリット

  • 不純物が取り除かれている:

重金属、化学物質、細菌などが取り除かれているため、安全性が高い。

  • 多用途に使える:

スキンケアやヘアケア、アロマスプレーの製造、コンタクトレンズの洗浄、薬剤の希釈などに利用可能。

  • 腐敗しにくい:

雑菌が混入しなければ長期間保存が可能。

蒸留水のデメリット

  • ミネラルが含まれない:

飲料水として使用する場合、ミネラルが不足する可能性がある。

  • 旨み成分が減ってしまう:

飲料水として使う場合はミネラルが取り除かれているためにコクがなくなってしまい、ミネラルウォーターに比べると美味しくなくなる可能性が高い。

  • 塩素が除去される:

殺菌・消毒作用を持つ塩素も取り除かれるため、保管状況によっては雑菌が繁殖しやすい。

蒸留水の一般的な作り方

蒸留水を家庭で作るには、鍋やガラスボウル、氷などを用います。

この方法を用いる場合は作ってから長期保存せず、衛生面の観点からできればその日のうちに使用するのが望ましいです。

必要な道具

  • 大きめのステンレス製の深型鍋
  • ガラスボウル
  • 鍋の蓋(裏返して使用)

作り方

  • 深型鍋に水道水を半分ぐらい入れ、その中央にガラスボウルを置く。
  • 鍋の蓋を裏返してのせ、氷を置く。
  • 火にかけて水を沸騰させる。
  • 蒸発した水蒸気が蓋の裏で冷やされ、ボウルに落ちる。
  • ボウルにたまった水が蒸留水となる。
  • 必要な量が溜まったら別の保存容器に移し替えて出来上がり。

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まとめ

精製水や蒸留水の特徴について理解できましたでしょうか?

どう異なるのかを知った上で、用途に合わせて適切な水を選びましょう。

家庭で蒸留水を作る場合は長期保存には注意が必要です。

健康上の観点からは取り扱いは要注意となります。

用途ごとに適した水を使うことで、より安全かつ効率的に活用することができるのです。

また、蒸留水の特性を正しく理解し、必要に応じてミネラル補給などの対策を取ることが重要となります。

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