蒸留酒とは?蒸留酒の作り方や主な種類を紹介|香味成分を加えると別種の味わいに

蒸留酒とは、お酒の一種であり、醸造酒を蒸留して作る点が特徴です。

その作り方には、大きく分けて単式蒸留と連続式蒸留の2種類があります。

この記事では、蒸留酒の概要や主な種類、作り方などについて解説しています。

また、蒸留酒をより美味しくしたい方におすすめの装置も取り上げているため、ぜひ参考にしてください。

蒸留酒とは

詳しくは後述しますが、蒸留とは、液体を加熱して一度気体にしたうえでそれを冷やして再度液体に戻すことです。

気体化したアルコールを液体に戻す過程を経ることで、醸造酒よりもアルコール度数が高いお酒を作れる点が特徴だといえます。

お酒の種類の違い

お酒の種類によって3つの製造方法を使い分けることとなります。それぞれの概要は以下の表の通りです。

種類概要
醸造酒・米や麦といった穀物、ぶどうのような果実に含まれるデンプンや糖を使う
・酵母菌を使って発酵させている
・代表的なものに日本酒やワイン、ビールなどがある
蒸留酒・発酵させた液体を蒸留している
・蒸留後はそのままのむか水を加えてアルコール度数を調整する
・代表的なものに焼酎やウィスキー、ブランデーなどがある
混成酒・醸造酒や蒸留酒に果実や薬草、ハーブなどを加えている
・代表的なものにカルーアがあるほか、リキュールや甘味果実酒なども混成酒に含まれる

蒸留酒の特徴

先ほども触れているように、一度気体化したうえで液体に戻すことでアルコール分が濃縮されており、アルコール度数が高くなります。

蒸留酒の一種である焼酎の場合、一般的なものだと20〜25%程度のものもありますが、70%を超えるものもあります。

また、蒸留酒はアルコールを一度気化させますが、その際アルコールと一緒に気化しない成分もあります。

具体的には、糖質やアミノ酸、クエン酸などです。

この点は、お酒を飲みたいものの太ることを気にして制限している人にとっては大きなメリットとなるでしょう。

蒸留酒の主な種類

蒸留酒にはさまざまな種類がありますが、主な種類としては、焼酎、泡盛、ウィスキー、ブランデー、ジン、ウォッカ、テキーラ、ラムなどが挙げられます。

それぞれの概要は以下のとおりです。

       概要 
焼酎・主に日本や韓国で作られるお酒
・穀類などのデンプン、黒糖などの糖質が主な原料
・日本では単式蒸留で作る乙類と連続式蒸留で作る甲類がある
泡盛・沖縄県で作られる焼酎の一種
・タイ米を原料としており、発酵には黒麹を使用することなどが特徴
・黒糖は雑菌の繁殖を抑える役割があり、泡盛のビターな味わいを引き出してくれる
・単式蒸留で作られる
ウィスキー・欧米発祥のお酒
・大麦やライ麦、とうもろこしといった穀物を原料としている
・蒸留後は樽で貯蔵熟成され、それによって琥珀色になり、国のある味わいになる
・ウィスキーの種類によって単式蒸留で作るケースもあれば、連続式蒸留で作るケースもある
ブランデー・果実を発酵させたうえで蒸留している
・主な原料はぶどうだがチェリーやリンゴを使用するケースもあり、フランスのコニャックやアルマニャックなどが代表的
・樽で熟成させるのが一般的
ジン・穀類や糖蜜を原料にして作った蒸留酒にハーブやスパイス、果皮などを加え、再蒸留しているお酒
・連続式蒸留で蒸留したものにボタニカルを加えたうえで単式蒸留で再度蒸留する
ウォッカ・大麦や小麦、ライ麦といった穀物を原料としているお酒
・連続式蒸留で蒸留し、白樺の炭でろ過している
・クセのない味わいが特徴
テキーラ・メキシコで作られるお酒
・リュウゼツランという植物の糖分を発酵させて作っている
・単式蒸留で複数回蒸留している点が特徴
ラム・サトウキビの搾り汁や糖蜜を発酵させて作っているお酒
・サトウキビの甘い風味や味わいが特徴的
・樽で貯蔵するダークラムや無色のホワイトラムなどその種類はさまざま

このようにその種類はさまざまです。

使用している原料や蒸留方法、蒸留回数などにも違いがあるため、それぞれ特徴的な味わいを持っています。

飲み比べをしてその違いを楽しんでみるのもいいでしょう。

蒸留酒の作り方

蒸留酒の作成方法には大きく分けて単式蒸留と連続式蒸留があります。

ここではそれぞれの方法の概要や違いについて解説します。

作り方の違いがわかると、より蒸留酒に対する理解も深まるためぜひ参考にしてください。

単式蒸留

単式蒸留とは、その名の通り一度だけ蒸留を行う方法です。

原料を投入してから一度だけ蒸留を行うこの方法は昔ながらの蒸留方法だといえます。

単式蒸留は以下のような手順で行われます。

  • ポットスチルと呼ばれる単式蒸留機に発酵液を入れる
  • 蒸気で加熱したうえでアルコールを沸騰させ気体化する
  • 気体化したアルコールが冷却器に運ばれる
  • 冷却器を通る間に冷却凝縮され、液体に戻る

蒸留回数が少ないこともあって、アルコールの精製度が低い点が特徴で、その分原料の持つ風味や味わいを活かすことができます。

連続式蒸留

連続式蒸留は、原料と蒸気を連続的に供給する蒸留方法です。

連続した供給によって純度の高いアルコールを得られる点が特徴です。

単式蒸留が昔ながらの蒸留方法であるのに対して、連続式蒸留は19世紀のイギリスで生まれた近代的な蒸留方法です。

もともとはウィスキー作りのために開発されたとされています。

連続式蒸留の具体的な手順は以下のとおりです。

  • 発酵液を蒸留機の中間の棚に連続して注入する
  • 駅が棚から垂れて下へと流れ落ちていく
  • 棚が蒸気で熱せられることでアルコールが沸騰し、蒸気となって上の棚に上がっていく
  • 各たなで凝縮・沸騰を行い、棚の上段に上がっていく作業が繰り返し行われる

連続式蒸留では、コラムスチル、パテントスチルと呼ばれる蒸留機を用いて蒸留を行います。

蒸留機の中で何度も蒸留を繰り返すことで最終的には純度の高いアルコールを作り出すことができます。

蒸留酒の製造に役立つ抽出装置

ここまで説明してきたように、蒸留酒は発酵した液体を蒸留することでアルコールの濃度を高くしている点が特徴です。

蒸留したお酒はそのまま飲むこともできますが、味わいや香りを加え、よりバラエティーに富んだお酒(リキュール)を作りたい場合は、抽出装置の活用がおすすめです。

抽出装置に興味のある方は、ぜひこちらのページもご覧ください。https://kanematsu-mwextract.jp

まとめ

今回は、蒸留酒の作り方について解説しました。

蒸留酒とは醸造酒を蒸留して作るお酒のことです。

気体化したアルコールを再度液体化することでアルコール分が凝縮される点が大きな特徴のお酒です。

代表的なものに焼酎やウィスキー、ブランデーなどがあります。

作り方には単式蒸留と連続式蒸留があり、蒸留回数の違いによってアルコールの濃度が異なります。

香味成分などを混ぜ合わせより美味しく作りたい場合、抽出装置の活用がおすすめです。

兼松エンジニアリングの抽出装置に興味のある方は、ぜひお問い合わせください。


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