植物残渣を再資源化できるおすすめの方法は?高い付加価値を目指すために

野菜の茎や葉、規格外品、剪定枝など、植物の残渣をどう処理するか悩む方は多いです。

この記事では、

  • 植物残渣を取り巻く現状と課題
  • 再資源化の方法を比較
  • 再資源化を高付加価値ビジネスにつなげる考え方

を解説します。

植物残渣の再資源化をめぐる現状と課題

植物残渣の再資源化を進める必要性は年々高まっています。

まずは、植物残渣の処理に関する現状と課題を整理し、再資源化が必要な背景を説明します。

植物残渣の処理コストは上昇

野菜の茎・葉・皮や規格外作物など、大量の植物残渣が日々生じています。

植物残渣の処理方法といえば、焼却や埋立を思いつく方も多いでしょう。

しかし、焼却・埋立による処理方法は、今後コストが高まると考えられます。

例えば東京23区では、2023年10月から、植物残渣を廃棄物として処理する場合の手数料が13〜15%ほど値上がりしました。

処理費が上がる理由は、実際の廃棄物処理費用が大きくなっているため、とされています。

政府からの環境対策の要請や、SDGsへの取り組みの一環としても、植物残渣を処分することに対するハードルが高まっています。

実際に、環境への配慮や持続可能性のある活動をしているかが、ESG投資という観点でチェックされるようになってきました。

焼却・埋立処分の限界

伝統的な処理方法である焼却や埋立だけに頼るやり方は、今後続けていくことが難しいと考えられます。

焼却による処分は燃料費の高騰が続いており、コストが大きくなると見込まれます。

臭いが発生したり、二酸化炭素が排出されたりするため、環境への負荷も無視できません。

埋立処分は、土地の制約があり、廃棄物の受け入れ先を探すのが難しくなりつつある状況です。

中長期的には、環境負荷を減らす取り組みが事業者にも求められます。

例えば、1997年に採択された京都議定書をもとに、政府は二酸化炭素やメタン、窒素酸化物の削減に取り組んでいるところです。

地球温暖化対策などの環境政策の中で、焼却・埋立処分だけに頼るのは限界があります。

環境省の方針から見る再資源化の必要性

植物残渣に対する考え方は、次の順番のように整理できます。

  1. 残渣の発生量を抑える
  2. 再利用する
  3. 再資源化し活用する

この順番で廃棄物をなくすように取り組むことが、企業にも求められているのです。

植物残渣を再資源化するための方法

植物残渣を再資源化するための方法は、ひとつではありません。

どの方法が適切かは、残渣の種類や量、設備投資の可否によって変わります。

主な再資源化に関する4つの方法について、その特徴とポイントを説明しましょう。

再資源化するための方法を比較

植物残渣の再資源化にはさまざまな手段があり、特徴を比べて適切な方法を選ぶのが重要です。

まずは、主な再資源化の方法を表にまとめました。

方法特徴初期費用
堆肥化微生物で分解して肥料化比較的低い
飼料化乾燥や発酵で飼料に比較的低い
メタン発酵でバイオガス化ガスを燃焼させて電気・熱利用高い
リサイクル材・土壌改良材乾燥・破砕しリサイクル材や土壌改良材に低〜中

それぞれの方法について、より詳しく解説していきましょう。

堆肥化・飼料化による再資源化

堆肥化と飼料化は比較的導入しやすく、農業・畜産との相性が良い方法です。

堆肥化は、微生物が植物残渣を分解して、肥料に変える仕組みです。

発酵槽や撹拌機などが必要ですが、シンプルな設備で済みます。

飼料化は、残渣を乾燥させ破砕することによって、家畜の餌として再利用する方法です。

ただし、飼料として使用できる残渣には条件があり、管理が必要になります。

メタン発酵によるバイオガスの生成

メタン発酵は、微生物が植物残渣を分解して、メタンガスを作る仕組みです。

ただし、ガス管理などの設備が必要で、初期投資は大きくなりがちです。

リサイクル原料・土壌改良材としての再利用

植物残渣を乾燥し破砕することで、リサイクル原料や土壌改良材として再利用する方法もあります。

リサイクル原料や土壌改良材は、農家や園芸業者などへの販売ルートを通して、追加的な収入につながる可能性もあります。

設備導入か委託処理か

植物残渣の処理方法を考える際に、自社で設備を導入して処分するか、他の業者に処理を委託するかは悩ましい点です。

設備導入か委託かを判断する3つのポイントを解説します。

設備を導入するうえでの検討ポイント

設備導入が成功するかどうかは「運用できる体制を作れるかどうか」で決まります。

自社で生じる残渣の種類や量に見合った、処理能力を持つ設備が必要です。

次に、維持管理に必要な人員やスキルを把握します。

設備は担当者を配置して動かすのはもちろん、点検やメンテナンスも欠かせません。

臭気や季節による残渣の量の変動についても、対応を考えておく必要があります。

導入後のトラブルに備え、想定される故障リスクや対応可能なメンテナンスも確認しておきましょう。

委託処理のメリットとリスク

残渣の処理を委託できれば、手間を最小限にできるのが最大のメリットです。

職員が少なかったり、繁忙期があったりする法人や組織においては、見逃せない利点となります。

一方で、委託処理にはいくつかのデメリットやリスクもあり注意が必要です。

処理を他の業者に委託する場合は、必ず次の点を確認しましょう。

● 一般廃棄物なのか産業廃棄物なのか
● 処理方法ごとに必要な許可を持っているか
● 工場や農場から近い業者かどうか
● 再資源化率や処理内容を分かりやすく説明しているか

補助金・助成金を活用した導入負担の軽減策

再資源化のために必要な設備は、政府からの補助金を活用すれば、導入時の負担を大幅に減らせます。

農林水産省や環境省では、再資源化に関する設備導入を対象にした補助金制度を準備している場合が多いです。

設備を導入する前に、補助金に関して次の点をあらかじめ確認しておきましょう。

● 対象となる経費の範囲
● 事業期間・申請時期
● 求められる環境効果や地域貢献の内容
● 必要な書類と審査基準

補助金を受けとると、環境効果や地域貢献に関する成果を求められる場合もあります。

植物残渣を活かす経営戦略

植物残渣を再資源化する取り組みは、コスト削減につながるだけでなく、環境価値の向上やブランド強化に直結します。

廃棄物だったものを資源として活かせば、新たな収益チャンスが生まれ、事業価値も高まります。

再資源化を経営戦略に活かす4つのポイントを解説しましょう。

再資源化がもたらす経営・環境・ブランド価値の向上

再資源化は経営の安定と企業価値の向上を同時に実現できる取り組みです。

処理コストを削減できるだけでなく、さまざまなメリットがあります。

再資源化は単なる処分方法の見直しではなく、経営戦略の一部と位置づけられる点が魅力です。

発酵やバイオマス活用に関する技術のトレンド

発酵技術やバイオマス利用の分野では、設備の小型化・高効率化が進み、以前より導入しやすい環境が整っています。

近年は微生物発酵を最適化する技術が進み、堆肥化の省スペース化や、撹拌が不要な施設も実現しつつあります。

メタン発酵設備も小型化しつつあり、中規模法人でも導入可能なモデルが現れてきました。

ソフト面から見たトレンドとしては、自治体と企業が連携してエネルギー供給を行う地域モデルが広がっています。

こうした連携によって、エネルギーの地産地消が進み、地域全体の環境価値を高める動きが強まっています。

植物残渣からの抽出による高付加価値の実現

再資源化を進めるうえでは、植物残渣に含まれる成分を抽出して高付加価値を実現する方法もあります。

例えば植物の皮や葉には、ポリフェノールや香気成分など有用な成分を含むものがあり、化粧品や食品の素材などに利用可能です。

特に、近年注目されているのが、マイクロ波による抽出技術です。

参考:https://kanematsu-mwextract.jp

高付加価値化を検討するなら専門家に相談を

抽出技術を活用すれば、より高い付加価値をつけた製品を、植物残渣から生み出すことが可能です。

ただし実際に、植物残渣を高付加価値化できるかは、自社だけで判断するのは難しいです。

抽出の可否は原料や含有成分の量で大きく変わるため、成分分析や抽出条件の設定には、専門的な知識が必要です。

無駄な投資を避けられるため、初めて再資源化に取り組む場合は特に、専門家の協力を仰ぎましょう。

まとめ

植物残渣を再資源化すれば、コスト削減はもちろん、環境配慮やブランド価値の向上も実現可能です。

残渣を「廃棄物」として扱う時代は終わり、これからは「資源」として活かす発想が求められます。

マイクロ波抽出を活かしたより高い付加価値を持つ製品に関心をお持ちの方は、

マイクロ波抽出装置の導入実績を持つ兼松エンジニアリング株式会社に、お気軽にお問い合わせください。


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