
現代社会では、私たちがあまり意識していないところでマイクロウェーブと呼ばれる電波が使われています。
マイクロウェーブという言葉は聞いたことはあっても、どんなところで使われているのかをあまり知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「マイクロウェーブとはどんな電波なのか?」について詳しく解説していきます。
本記事を読めばマイクロウェーブに関する基礎知識が身に付き、それを使った技術について理解できるようになるでしょう。
また、マイクロウェーブを使った特殊機器もご紹介します。
それにも目を通し、マイクロウェーブのすごさを知ってください。
マイクロウェーブとは何か?

電波には周波数によって様々な種類がありますが、マイクロウェーブは周波数300MHzから300GHzの周波数を持った電波です。
直進性が強いのが特徴で、大容量の情報を送ることが出来るため、現代の社会では当たり前のように使われている電波の1つになります。
マイクロウェーブは身近な製品でも利用されていますが、様々な分野で活用されています。どんな分野で使われているのか、詳しく見ていきましょう。
マイクロウェーブはどんな用途で使われている?

マイクロウェーブが実際に現代社会で使われている例を、いくつか挙げてみましょう。
- 医療現場
- 食品の殺菌やカビ発生の予防
- GPSやレーダーなど
- スマートフォンや無線、長距離通信など
- レンジなどの家庭用電化製品
それぞれがどんな使われ方なのか、簡単にご説明していきます。
医療現場
マイクロウェーブは現代医療現場でも活用されています。
マイクロウェーブには発熱効果があります。
これが、マイクロ波焼灼療法やマイクロ波温熱療法などの温熱療法に使われています。
食品の殺菌やカビ発生の予防
マイクロウェーブは食品を殺菌したりカビを予防したりする際にも、世の中で広く活用されています。
マイクロウェーブを使って電波を送ると、マイクロ波の電波エネルギーが物質に吸収されます。
そして、そのエネルギーが熱エネルギーとなって、物質の加熱が起こるのです。
加熱によってある程度の温度まで上昇すると菌は死滅するので、マイクロウェーブは食品業界での殺菌工程でよく活用されています。
マイクロウェーブによる発熱は、物質に吸収される際に分子の動きと抵抗によって発生します。電波エネルギーが熱エネルギーに変わるということを覚えておきましょう。
GPSやレーダーなど
GPSやレーダーにもマイクロウェーブは使われています。
GPSでは、人工衛星から送信されたマイクロウェーブを使って位置を測定しています。
複数の人工衛星からの時刻情報をカーナビやスマートフォンのGPSが受信して、自分のいる位置を割り出しているのです。
また、レーダーはマイクロウェーブを照射し、物標から反射してきた電波をとらえることでその位置を知ることができる仕組みです。
これらはマイクロウェーブには直進性があり、短い波長と高い感度を持っているという特徴を利用した技術です。
スマートフォンや無線、長距離通信など
この記事を読まれている方のほとんどは、スマートフォンをお持ちのことでしょう。
そんな身近にあるスマートフォンも、マイクロウェーブを利用して通信を行っています。
また、マイクロウェーブは無線や長距離通信などにも使われています。
これは、光ケーブルと同等の通信速度を持っているという特徴を活かした技術です。
このように、身近な通信から長距離通信まで、マイクロウェーブは幅広く通信手段として使われているのです。
レンジなどの家庭用電化製品
前述した通り、マイクロウェーブは物質を加熱することが出来るので、電子レンジなどの家庭用電化製品に利用されています。
また、衛星テレビ放送の受信にもマイクロウェーブは使われています。
大雨の日や雪の日には衛星テレビの電波状態が悪くなることがありますが、その原因はマイクロウェーブが雨や雪の影響で反射して減衰してしまうためです。
マイクロウェーブを利用した電子レンジではどうして温まるの?

マイクロウェーブを使うと物質を加熱することが出来ますが、家庭用電子レンジではどうして温まるのかを簡単に解説しましょう。
マイクロウェーブが物質に吸収される際には、分子の動きと抵抗によって発熱するという原理は前述しました。
マイクロウェーブは1秒間に24億5000万回もの分子の振動を起こすため、この振動による抵抗によって発生する熱で短時間に物質を温められるのです。
電子レンジには内部にアンテナが設置されており、このアンテナが回転してマイクロウェーブを拡散しながら飛ばすことによって、効率的に食材を温めます。
家庭での加熱の種類を解説

電子レンジは食材を加熱する際に使われる家庭用電化製品の1つですが、家庭にはそのほかにも加熱を行う電化製品がいくつかあります。
ここでは、家庭で多く用いられている家電による加熱の仕組みについて、簡単に解説していきます。
物が温まる仕組みには、大きく分けて以下の3つの種類があります。
熱伝導 | 物質同士が触れている時に熱が伝わって温まる |
対流 | 暖かい空気が動くことで熱が伝わって温まる |
幅射 | 電磁波としてエネルギーが放出され、物質に当たることによって温まる エネルギーが物質の分子を動かし、内側から発熱させる |
これらを利用して、家庭の電化製品は加熱を行っています。
熱伝導は、家電製品自体が温まり、そこで発生した熱を温めたい物質に直接触れさせて温める方法です。
電気カーペットなどが、熱伝導の温め方ですね。
対流は、家電製品から発せられた暖かい空気が空間を温め、物質を加熱させる仕組みです。
エアコンなどは、対流の加熱に分類されます。
そして幅射という加熱方法が、マイクロウェーブなどの電磁波を使って物質を温める方法になります。
電子レンジはマイクロウェーブを使った加熱なので、幅射の一種です。
マイクロウェーブを活用した抽出技術がおすすめ

このようにマイクロウェーブは、物質を加熱する際によく使われています。
さらに近年では、物質から必要な成分だけを取り出すための抽出方法にも、マイクロウェーブが使われているのです。
マイクロウェーブを使った抽出装置は、マイクロウェーブを物質に照射して加熱・分解・溶液化することで、成分を抽出する装置です。
マイクロウェーブを抽出技術に応用する使うメリットは、以下が挙げられます。
- 高い抽出品質が確保できる
- 食品に使用可能なので安全
- 低コストで効率的
- 環境にやさしい
従来の蒸留などによる抽出方法よりもより高品質で低コストの抽出が出来るため、世界各地で導入が進みつつあります。
マイクロウェーブを活用した抽出に関しては兼松エンジニアリングにご相談を

このように、マイクロウェーブを使った抽出が非常に魅力的であることは、お分かりいただけたと思います。
マイクロウェーブを使ったマイクロ波抽出装置の導入に興味がある方は、兼松エンジニアリングに相談してみましょう。
兼松エンジニアリングはマイクロ波抽出装置の特許を取得しているので、信頼出来るマイクロ波抽出装置の導入が可能です。
また、導入会社の環境に合わせて柔軟に装置を配備することが可能で、様々な分野で活用することができます。
参考:http://kanematsu-mwextract.jp/
マイクロウェーブとは?のまとめ

今回は「マイクロウェーブとは何か?」という疑問に答えつつ、マイクロウェーブの特徴とその魅力について解説してきました。
マイクロウェーブは現在の日常生活の中ではごく当たり前に使われている、電磁波の1つです。
さらにご紹介した通り、マイクロウェーブは最先端の抽出装置にも使われています。
香り成分を逃さずに精油や芳香蒸留水を得たり、食品のエキスを抽出したりすることができるマイクロ波抽出装置。
もし自社の製品開発で高度な抽出技術を行いたいのであれば、マイクロ波抽出装置の導入を検討してみましょう。
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