
トマトは濃縮すれば保存性が高まり、コストカットできるなどメリットが大きいです。
無添加で濃縮されたトマトは特に需要が高く、さまざまな商品に利用されています。
ただし、トマトを無添加で濃縮するのはデメリットも存在するため注意が必要です。
本記事ではトマトを無添加で濃縮する方法やメリット・デメリット、注意点まで詳しく解説します。
トマトを無添加で濃縮するとは?

トマトの加工方法にはストレートと濃縮還元の2種類があります。
搾ったトマトを濃縮させるのが濃縮還元であり、さまざまなトマト製品に活用されている技術です。
添加物を加えずに濃縮還元すれば無添加で濃縮されたトマトを得られます。
ここでは、トマトを無添加で濃縮させる方法について詳しくみていきましょう。
トマトの加工方法はストレートと濃縮還元の2種類がある
トマトの加工方法を大別すると以下の2種類があります。
- ストレート:トマトを濃縮させずにそのまま加工させる
- 濃縮還元:トマトを搾って果汁を加熱して水分を蒸発させた状態にする
ストレートとはトマトをそのままの状態で加工に用いる製法です。
ストレートでは濃縮や加水といったプロセスが含まれないため、トマトの風味を残しやすくなります。
濃縮還元とは、トマトを搾って果汁を加熱して水分を蒸発させて濃縮ペーストの状態にしたものです。
濃縮還元すると保存や輸送がしやすくなってコストを抑えられるなどメリットがたくさんあります。
トマトを搾って濃縮させて製品開発に利用するのが濃縮還元
トマトを搾って濃縮させた濃縮ペーストは加水すると元の状態に戻ります。
濃縮ペーストの状態では微生物の発生を抑えることができて腐りにくいです。
長期的な保存に適しており、年間を通して品質を安定させられます。
大量生産・大量流通に適した手法であり、トマト製品の開発において濃縮還元は重宝されている製法です。
濃縮還元したものに添加物を加えないのが無添加
トマトを濃縮還元する際に添加物を加えないものは無添加と呼ばれます。
濃縮還元したトマトはストレートのものと比較すると風味が損なわれているケースが多いです。
風味に劣る点を補うために甘味料や香料などの添加物が加えられるケースがあります。
添加物を加えると健康への影響が気になる方が多いため、無添加で濃縮還元されたトマト製品は需要が大きいです。
ただし、無添加では味や香りがストレートより劣るケースがあるため対策が必要になります。
トマトを無添加で濃縮するメリット

トマトを無添加で濃縮すると以下のようなメリットがあります。
● 価格が安くなる
● 保存性に優れている
● 年間を通して品質が安定する
トマトを無添加で濃縮するメリットを詳しく解説します。
価格が安くなる
トマトを濃縮してペースト状にすると体積が減るため、保存や輸送で有利になります。
トマトは大部分が水分で構成されているため、濃縮した際の体積減少量が大きいです。
トマトとして使用する場合は水を加えるだけで元の状態に簡単に戻せます。
トマトを濃縮すると保存や輸送にかかるコストを抑えられるため、価格が安くなる点がメリットです。
保存性に優れている
トマトを加熱濃縮すると常温でも長期保存できるようになります。
濃縮してペースト状になったトマトにはほとんど水分が含まれていないからです。
微生物が繁殖するには水分が必要になるため、ペースト状のトマトは腐敗しにくくなります。
トマトを濃縮するための加熱の過程でも多くの微生物や酵素を死滅させることが可能です。
トマトの加熱濃縮は微生物のリスクを大幅に軽減できるため、長期保存に適した加工方法といえます。
年間を通して品質が安定する
濃縮したトマトは年間を通して品質を安定させられる点がメリットです。
濃縮してペースト状になったトマトは長期保存できるため、季節に関係なく流通できます。
ペースト状のトマトに水分を加えて元の濃度に戻せば通常のトマトとして使用可能です。
加工の際に味の調整をすれば同じ味わいを維持できます。
トマトを無添加で濃縮する方法

トマトを無添加で濃縮するにはさまざまな工程が必要になります。
ここでは、トマトを無添加濃縮するための方法を詳しく解説しましょう。
トマトを濃縮する手順
トマトを濃縮するための手順は以下の通りです。
- トマトの洗浄トマトの破砕
- トマトの破砕
- トマトの加熱
- トマトの固液分離
- トマトの濾過
- トマトの濃縮
洗浄したトマトは搾汁しやすくするために破砕工程で細かく砕かれます。
砕いたトマトを加熱して微生物を殺菌してから固液分離工程に進みます。
トマトに圧力をかけて搾ることで得られるのが搾汁液です。
トマトの搾汁液は濾過工程で不純物が取り除かれます。
搾汁液を沸騰させて水分を取り除くのが濃縮工程です。
トマトの搾汁液から水分を取り除いて濃縮する
搾汁液を蒸発して水分を取り除く工程は減圧下で行われるのが一般的です。
減圧下では沸点が60℃から80℃程度に下がるため、トマトの風味を損なわずに沸騰させられます。
濃縮されたトマトはペースト状になり、濃度が濃い状態です。
濃縮工程で得られたトマトペーストは、トマトジュースやトマトソースなどの原料として活用できます。
濃縮工程で得られたトマトの搾汁液は、加熱冷却して殺菌するのが一般的です。
保存容器に充填して窒素ガスを封入すれば酸化や水分吸収を防いで長期保存できるようになります。
加工過程で添加物を加えなければ無添加になる
トマトの濃縮加工の工程において添加物を加えなければ無添加のトマトペーストを得られます。
添加物とは保存料や着色料、甘味料などのことで、食品の製造工程において加工や保存のために使われるものです。
産地から収穫された原材料が最終的に加工食品になるまでの間で食品添加物を一切使用しなければ無添加として扱われます。
食品添加物を使用した場合は食品表示の中で使用した添加物を表示しなければいけません。
トマトを濃縮する段階で添加物を使用する場合も表示が義務づけられるため注意しましょう。
トマトの無添加濃縮の問題点と解決策

トマトを無添加濃縮させると味や風味が損なわれやすい点が問題になります。
以下ではトマトを無添加濃縮するための課題と解決策について詳しく紹介します。
トマトの濃縮過程で風味や味が悪くなりやすい
トマトを濃縮する過程で加熱するために風味や味が悪くなりやすいのが課題になります。
濃縮するには水を蒸発させなければならず、加熱の工程は避けられません。
加熱をするとトマトに含まれる揮発性の成分が失われます。
加熱によってトマトの細胞壁が壊れれば、中に含まれる成分が流出する可能性がある点も注意が必要です。
トマト本来の香りや味などが失われるリスクがあるため対策が必要になります。
沸点を下げて濃縮すると風味や味が損なわれにくくなる
トマトなど食品を濃縮する際には減圧して沸点を下げます。
長時間トマトを高温状態にさらすのを避けるために減圧下で60℃以下の温度で濃縮されるケースが多いです。
圧力が下がると沸点が下がるため、減圧すれば低温濃縮を実現できます。
特別な装置を用いれば真空槽を作り出して減圧下でトマトの濃縮が可能です。
マイクロ波抽出装置で風味を損なわずにトマトの濃縮が可能
沸点を下げてトマトを濃縮する方法としてマイクロ波抽出装置を活用できます。
マイクロ波抽出装置とはマイクロ波を照射して水分を蒸発させる装置です。
減圧下で蒸留できるため熱の影響を抑えることができ、高品質なトマトの濃縮液を得られます。
マイクロ波の照射で濃縮するため溶媒を使う必要はなく、無添加濃縮が可能です。
マイクロ波抽出装置はトマトや果汁の濃縮や柑橘類からの精油抽出など幅広い用途に使われています。
参考:http://kanematsu-mwextract.jp/
まとめ

トマトを濃縮させれば水分を蒸発させて体積が減るため、保存や輸送がしやすくなります。
濃縮させたトマトは長期保存ができて、季節を問わず品質が安定に保たれるなどメリットが多いです。
無添加で濃縮させられれば、健康志向の方にとって魅力的な製品を展開できるでしょう。
トマトを濃縮させると風味や味が落ちる点が課題となるため、低温・短時間で濃縮させるのが望ましいです。
マイクロ波抽出装置であれば溶媒不要で低温濃縮ができてトマトの味や香りは損なわれません。
マイクロ波抽出装置に興味のある方は兼松エンジニアリング株式会社までお問い合わせください。
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