
野菜を生産していると、どうしても定められた規格から外れた野菜が採れます。
一部は加工に回されますが、受け入れ先がない場合、廃棄されるケースも珍しくありません。
近年はフードロスを削減するために規格外野菜を活用する動きが活発になっています。
本記事では、規格外野菜の販売や活用をするメリットや具体的な方法を紹介します。
規格外野菜とは?

規格外野菜とは、定められた大きさ、形、色などが規格から外れた野菜の総称です。
規格から外れた野菜には、集荷・販売の効率が落ちたり腐食が早まったりするデメリットがあります。
近年は流通が盛んになり、日本全国で収穫された野菜が遠方の市場へ出荷されることも珍しくありません。
そのため、スーパーをはじめとする一般的な小売店では規格外野菜はほとんど販売されません。
規格外野菜の一部は加工品用として安く販売されることもありますが、大部分が畑にすきこまれます。
近年は生産技術が向上して規格外野菜が生産される割合が減ってきました。
しかし、天候が不安定だったり台風などの災害にあったりすると規格外野菜が増加します。
規格外野菜を販売するメリット

フードロスの削減、エコ意識の高まりといった観点から規格外野菜を販売する事業者も増えています。
ここでは、規格外野菜を販売するメリットを4つ紹介します。
安価で野菜が買える
規格外野菜を販売する最大のメリットは、消費者が安価で野菜を購入できることです。
2021年から続く物価高はいまだ衰える気配を見せません。
「少しでも食費を抑えたい」と考える消費者は多いでしょう。
安価で野菜が購入できる場所ができれば、高い集客効果が見込めます。
毎週末など日程を決めて販売すれば、新しい名所になる可能性もあるでしょう。
フードロスを防げる
天候の変動や社会情勢の変化により、世界的に食糧不足が深刻化しています。
かつては安価で購入できた食材の中にも、価格が大幅に上がったり店頭から姿を消したりしたものがあるでしょう。
規格外野菜を活用する手段が見つかれば、フードロス対策にも役立ちます。
限られた資源を活用することで、SDGsにも貢献できるでしょう。
生産者の収益向上につながる
廃棄する予定であった規格外野菜を販売できれば、生産者の収益向上にもつながります。
実績豊富なベテランの生産者でも、規格外野菜を完全になくすことはできません。
前述のように、例年より雨が多い・少ない、日照時間が短い・長いといった天候の変動によって規格外野菜が増えることもあります。
規格外野菜も安定した価格で販売できれば、生産者の年収が大幅に増減することもなくなるでしょう。
生産者には、安定した収入を得られれば、ローンを組んで設備投資をしやすくなるといったメリットもあります。
新しい特産品になる可能性がある
規格外野菜を安価で販売できれば、それが新しい特産品になる可能性があります。
例えば、高級なブランド野菜を「家庭用」、「訳アリ」と理由をつけて安価で販売できれば、人気が高まって現地まで足を運んでくれる消費者が増える可能性もあるでしょう。
また、そのまま販売しなくても、加工品を特産品として展開することで、その特産品だけでなく地域の知名度が向上する場合があります。
規格外野菜を販売する際の注意点

規格外野菜を販売する場合の注意点もあります。
ここでは、規格外野菜を販売する際の注意点を4つ紹介します。
規格外野菜を販売する計画を立てている場合は、メリットだけでなく注意点も知っておきましょう。
規格外野菜の量は少ない
規格外野菜の量は、生産量全体からみればわずかです。
野菜にもよりますが、100個のうち1〜2個しか規格外がでない野菜も珍しくないでしょう。
しかも、規格外野菜がどのくらいできるのか、予想がつきにくいという問題もあります。
そのため、「毎日必ず生産できるか分からない規格外野菜を手間と時間、お金をかけて出荷するメリットがない」といった意見もあります。
規格外野菜で新しいビジネスをはじめるなら、安定した量を入手できる手段を得ることが必要です。
梱包や発送に余分な手間や費用がかかる
規格外野菜は、出荷用の箱に収まらないことがあるため、梱包や発送に余分な手間や費用がかかるというデメリットもあります。
野菜は、出荷時期になると正規品の出荷が最優先されます。
家族では作業が間に合わず、期間限定でアルバイトやパートを雇用するところも珍しくありません。
その中で、時間と手間暇をかけて規格外野菜をわざわざ販売するメリットが少ないのも注意点です。
市場の価格が下がる原因となる
野菜の種類によっては、安価な規格外野菜が出回ると市場価格が下がる原因となる場合もあります。
例えば、付加価値が高いブランド野菜は、規格外野菜が流通すると、わざわざ高いお金を出して購入する消費者が少なくなる可能性もあるでしょう。
そのため、規格外野菜の販売を嫌がる生産者もいます。
規格外野菜の販売を行うには?

ここでは、メリット・注意点を把握したうえで規格外野菜を利用したビジネスを立ち上げるヒントや方法を紹介します。
すべての野菜に有効な方法ではありませんが、部分的に取り入れても前項で紹介した注意点を改善できる可能性があります。
畑の運営から販売まで一括で行う
畑の運営から販売まで企業が一括で行うことで、規格外野菜も正規の野菜も活用できるうえ、流通の中間にかかるコストを抑えることができます。
大手コンビニチェーン店の一つ、ローソンは「ローソンファーム」という自社農園を運営しています。
ローソンファームで作られた農作物は、正規品も規格外品も一括で買い取られ、お惣菜に加工されたり店頭で販売されたりするのです。
畑の運営から販売までを一括で行うことで、生産者は通常の野菜も規格外野菜も販売できるようになり、さらに「どのような野菜でも活用でき、買い取ってもらえる」という安心感を得ることができます。
生産者が直接規格外野菜を販売したい場合は、「食べちょく」などのECサイトを利用する方法もあります。
ECサイトの中には生産者が自分で出品できるものもあり、そのため無理なく規格外野菜を日本全国で販売できるでしょう。
エキスを抽出して販売する
そのままでは食に適さない規格外野菜でも栄養分や香りのエキスを抽出して精油やフレーバーとして利用できます。
また、エキスにすることで保存性が高まり、数か月から1年単位で保存が可能になることもあります。
特に、足の速い野菜はエキスにして活用するメリットが大きいでしょう。
また、規格外野菜の中でもそのまま販売できるものと、販売が難しいものがあります。
エキスにして販売すれば、そのままでは販売できない規格外野菜でも有効に活用できます。
香・エキスの抽出ならマイクロ波抽出装置

兼松エンジニアリングが製造・販売している「マイクロ波抽出装置」は、低温で抽出することにより熱に弱い香り成分も逃さず、高品質な精油や芳香蒸留水といったエキスを得られる製品です。
無添加製法で抽出するので、食品にも問題なく利用できるエキスが得られます。
さらに、短時間で抽出できるので、ボイラー式水蒸気蒸留装置と比べてランニングコストが約半分ですむのも大きなメリットです。
規格外野菜を使ってエキスを抽出して特産品を作り町おこしに役立てたい場合にも、コストを抑えて導入することが可能です。
さらに、オール電化で動くのでCO2の排出も抑えられます。
参考:http://kanematsu-mwextract.jp/
まとめ

本記事では、規格外野菜を販売する方法やメリット、注意点、エキスを抽出して利用する方法を紹介しました。
規格外野菜をそのまま販売できる環境がまだ整っていない場合は、兼松エンジニアリングが製造・販売している「マイクロ波抽出装置」を利用して、エキスを抽出する方法もおすすめです。
エキスにすれば、フレグランスやお酒、スウィーツなど、使用範囲が広がります。
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