
農業の現場では、日々多くの廃棄物が発生しています。
規格外の野菜や果物、ビニールハウスのフィルム、家畜の糞尿など、その種類は多岐にわたります。
日本国内で発生する農業廃棄物は年間約1,900万トンにも及ぶのです。
そして、その多くがリサイクルされず廃棄されているのが現状です。
しかし、近年のSDGsの推進により、農業廃棄物を再利用し、持続可能な農業を実現する動きが活発化しています。
本記事では、農業廃棄物について種類やその発生原因を整理し、種類別の活用法を紹介します。
最後まで読めば、農業廃棄物の有効活用について、理解を深められるでしょう。
農業で出る廃棄物の現状

日本では年間約1,900万トンの農業廃棄物が発生しており、その多くが適切に処理されていません。
近年はSDGsへの関心の高まりから、農業廃棄物の削減と再利用が注目されています。
廃棄物の種類は多岐にわたり、それぞれに適した活用法が模索されています。
農業廃棄物が発生する原因

農業において廃棄物が発生する原因はさまざまです。
主な原因は、以下のとおりです。
- 市場の厳しい規格基準
- 消費者の購買行動
- 生産・流通システムの非効率性
ここでは、農業廃棄物が発生する原因について詳しく紹介します。
市場の厳しい規格基準
農産物は市場に出荷される前に、サイズや形状、色などの厳しい基準で選別されます。
例えば、キュウリが一定の長さや太さでなかったり、リンゴに小さな傷があったりするだけで規格外と判断されることがあります。
品質や味には問題がないにもかかわらず、規格外品として市場に流通せず廃棄される農産物があるのです。
消費者の購買行動
消費者の「美しい農産物を選びたい」という意識も、廃棄物増加の大きな要因の一つです。
スーパーや市場では、形が整い、傷一つない野菜や果物が並べられ、消費者も見た目の美しさを基準に購入するものを決める傾向があります。
そのため、わずかでも傷や変形がある農産物は売れ残り、結果として廃棄されることになります。
さらに、賞味期限や鮮度を気にする消費者が多いため、まだ食べられるにもかかわらず処分される食品も少なくありません。
生産・流通システムの非効率性
農産物が消費者の手元に届くまでの流通過程で、さまざまな理由により大量の食品ロスが発生します。
例えば、収穫後の保管や輸送の際に、温度や湿度の管理が適切でないと、農産物の鮮度が低下し、商品価値が失われてしまうのです。
また、輸送中の振動や衝撃による損傷も農業廃棄物が発生する大きな要因となります。
特に遠隔地への輸送が必要な地域では、流通の過程で品質が低下し、廃棄される割合が高くなります。
農業廃棄物の種類

農業活動においては、さまざまな種類の廃棄物が発生します。
主な廃棄物の種類は、以下のとおりです。
- 農業用プラスチック廃棄物
- 規格外野菜
- 家畜糞尿
- 加工・包装時の廃棄物
ここでは、廃棄物の詳細とその影響について紹介します。
農業用プラスチック廃棄物
農業では、ビニールハウスのフィルム、マルチフィルム、育苗ポットなど、多くのプラスチック製品が使用されています。
これらは使用後に大量の廃棄物となり、その多くは適切に処理されずに野外に放置されたり、不適切に焼却されたりしています。
規格外野菜
市場に出回る野菜や果物には厳しい規格があり、サイズや形状が基準に合わないものは「規格外品」として扱われます。
例えば、曲がったキュウリや大きすぎるニンジン、傷のあるリンゴなどが規格外になるのです。
この食品ロスを減らすために、近年では規格外野菜を活用した加工食品の開発や、規格外野菜を直接消費者に販売する取り組みが進んでいます。
家畜糞尿
畜産業では、大量の家畜糞尿が発生します。
特に牛、豚、鶏などの畜産農家では、その処理が大きな課題となっているのです。
適切に処理されないと、悪臭や水質汚染の原因となり、周辺環境への悪影響が懸念されます。
加工・包装時の廃棄物
農産物を加工する際には、大量の副産物が発生します。
例えば、ジュース製造では果皮や種、カット野菜の加工では端材や外葉などが廃棄されます。
これらは食品ロスの一部として問題視されており、飼料や堆肥として活用が可能です。
また、農産物を包装するために使われるプラスチック容器やフィルムも廃棄量が多く、リサイクルの推進が求められています。
農業廃棄物の種類別の活用法

農業活動から発生する廃棄物は、適切に活用することで資源として循環させることが可能です。
主な活用法は、以下のとおりです。
- プラスチック廃棄物のリサイクル
- 規格外野菜の食品加工
- 有機堆肥への活用
- バイオマスエネルギーへの転換
- 抽出装置を活用した高付加価値化
ここでは、それぞれの具体的な活用法について詳しく紹介します。
プラスチック廃棄物のリサイクル
農業用プラスチックは、回収・洗浄後にペレット化し、新たなプラスチック製品の原料として再利用できます。
特に、ビニールハウスやマルチフィルムのリサイクルが進められており、これらは農業資材として再利用するだけでなく、建築資材や日用品の製造に活用することも可能です。
また、生分解性プラスチックの導入も進んでおり、環境負荷の少ない資材への転換が期待されています。
規格外野菜の食品加工
市場規格に合わない野菜や果物は、ジュース、ジャム、乾燥食品などに加工することで新たな価値を持つことができます。
食品メーカーや飲食店と連携し、規格外品を活用した商品開発への取り組みが進んでおり、食品ロス削減に貢献しているのです。
また、アップサイクルフードとして専門ブランド化する動きもあり、消費者の関心が高まっています。
有機堆肥への活用
作物残渣や家畜糞尿は、発酵処理することで高品質な有機堆肥へと変換できます。
この堆肥は土壌の栄養バランスを改善し、化学肥料の使用を抑える役割を果たします。
また、微生物の働きによって土壌の健康が維持され、持続可能な農業の基盤が強化されるのです。
近年では、地域ごとに堆肥化施設を整備し、農業廃棄物を資源として有効活用する取り組みが進められています。
バイオマスエネルギーへの転換
作物残渣や家畜糞尿をバイオガスプラントで処理すると、メタンガスが生成されます。
このメタンガスは発電や熱エネルギーの供給に利用できるカーボンニュートラルなエネルギー源として注目されており、農家の副収入にもつながるのです。
また、バイオガス生成後に残る発酵残渣は堆肥として活用可能であり、資源循環型の農業を実現します。
現在、農村地域における小規模バイオガスプラントの導入が進められ、エネルギーの地産地消が促されています。
抽出装置を活用した高付加価値化
規格外野菜は、通常の野菜と変わらない栄養成分を含んでいます。
これらの有用成分を効率的に回収するため、マイクロ波抽出装置の活用が注目されています。
マイクロ波を利用することで、ポリフェノール、アントシアニン、食物繊維などの成分を高純度で抽出できるようになったため、健康食品や化粧品の原料として利用されるケースが増加しているのです。
マイクロ波抽出装置の技術により、規格外野菜の新たな活用法が生まれ、食品ロス削減と高付加価値化が同時に実現されるでしょう。
(引用:マイクロ波加熱によるペクチンの抽出)
(引用:電磁波照射によるファイトケミカルの回収(マイクロ波支援抽出).ベタレインとフェノール化合物を中心に | WHITE CROSS)
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