
形やサイズが不揃いといった理由で、まだ食べられる野菜が年間200万トンあまりも廃棄されています。
この廃棄量は生産量の約25%に及ぶともいわれ、深刻な食品ロスになっています。
SDGsが掲げる「持続可能な社会」の実現のため、私たちにできることはないのでしょうか?
今記事では、
- 収穫した野菜が廃棄されてしまう背景
- 規格外野菜を活用したSDGsの取り組み
- 抽出技術による野菜廃棄ゼロへの挑戦
などについて詳しく解説します。
この記事を読むことで、野菜廃棄ゼロの取り組みによる具体的なメリットを理解することができます。
コスト削減、新商品開発、ブランドイメージ向上などの参考になりますので、ぜひご覧ください。
収穫野菜の10%以上は廃棄されてしまう!その背景とは

「まだ食べられる野菜」が廃棄されてしまうのは、非常にもったいない状況です。
なぜ収穫した野菜の10%以上は、出荷されずに廃棄となってしまうのでしょうか?
その背景には大きく3つの背景があります。
ここでは、収穫した野菜が廃棄されてしまう背景と、農家が廃棄をする流れについて解説します。
どうして野菜が廃棄されるのか
収穫した野菜が、出荷されず廃棄されてしまうのには主に3つの背景があります。
- 豊作により供給が過剰になった
- 害虫に食べられたり、病気にかかったりした
- 規格に合わない野菜は流通しない
これらの要因によって、収穫された野菜の廃棄が引き起こされています。
農家が廃棄する流れ
実際に農家ではどのようにして収穫した野菜を廃棄しているのでしょうか。
農家が収穫した野菜を廃棄する際、様々な方法で再利用を試みています。
廃棄の方法について、以下の表にまとめました。
| メリット | デメリット | |
| 規格外野菜として販売 | ・生産者の収入につながる ・消費者は安価で産地直送の野菜を購入できる ・地域の新鮮な野菜の販売で、地産地消につながる | ・安定した品質が求められる場では扱いづらい ・基準を満たした野菜の価値を下げてしまう可能性がある ・箱詰めが非効率になり、配送コストが増加する |
| 肥料として再利用 | ・焼却処分などの廃棄コストを削減 ・化学肥料の使用量を減らし、土壌の改良ができる ・廃棄する野菜を資源として活用できる | ・病気や害虫に侵された野菜の使用によって、害虫や悪臭の発生もある ・種類によって塩分濃度が高い野菜があるため、土壌の塩分濃度が高くなってしまう可能性がある |
| 加工品にして販売 | ・大きさや見た目が主な原因のため、味や香りに差は出ない ・アイディア次第でヒット商品になる ・SDGsや環境問題への意識が高い消費者に対し、企業のイメージアップにつながる | ・加工に必要な設備や人件費など、初期投資や運営コストがかかる ・加工費や販売コストによっては、価格設定が難しい場合もある |
規格外野菜を活用したSDGsの取り組み

これまで、規格外野菜は市場に出回らず廃棄される背景や廃棄の方法について解説しました。
持続可能な社会をつくるための国際的な目標「SDGs」の12番目に「つくる責任 つかう責任」があります。
食べられるはずだった野菜の活用は、食品ロスの削減ばかりでなく農家の野菜の廃棄削減にも効果があるため、この目標達成に貢献できます。
では、規格外野菜の具体的な活用方法について紹介しましょう。
規格外野菜の売買で食品ロス対策
規格外野菜を売買する流通経路は多岐にわたり、農家の直売所や、インターネットのECサイト、加工食品を作る食品メーカーや、飲食店などで販売されています。
これらの取り組みは、生産者と消費者を直接結びつけ、地元で採れた新鮮な野菜を有効活用します。
また、フードバンクは、まだ食べられるけれども廃棄されてしまうような食品を企業や個人から寄贈してもらい、必要とする人や施設へ無償で提供する活動です。
例えば、子ども食堂や高齢者施設などに新鮮な食品を届けることで、喜んでもらえて健康維持にも寄与しています。
食品ロス削減と生活困窮者支援の両方に貢献する、社会的に意義のある活動です。
肥料としての活用
廃棄される野菜は畑の肥料として再利用が可能です。
廃棄野菜には、植物の成長に必要な栄養素が豊富に含まれており、畑の肥料として再利用することで、土壌の栄養バランスを改善できます。
畑へ直接すき込む方法では、廃棄野菜を細かく刻み、畑に残して耕運機ですき込むことで、土壌に直接栄養分を供給します。
土壌にすき込まれた廃棄野菜は発酵し、肥料となるのです。
この方法は比較的簡単ですが、分解に時間がかかるため、作付けの数週間前に行うのが理想的です。
加工して販売
廃棄野菜を加工して、新しい商品を生み出す方法もあります。
捨てられるはずだったものに手を加え、新しい価値を与える動きは「アップサイクル」と呼ばれ世界中で注目されている取り組みです。
主な加工品は
- ジュース
- スムージー
- ジャム
- 漬物
- スナック菓子
などがあります。
また、食品以外の加工品も登場しています。
野菜の廃棄をゼロにする取り組みは、今や大きく広がりつつあるのです。
抽出技術による野菜廃棄ゼロへの挑戦

従来、規格外野菜は売買、肥料、加工などに利用されてきましたが、近年では抽出技術による新たな活用法が注目されています。
抽出技術は、廃棄される野菜に含まれる栄養素、香り、色素やエキスといった有用成分を抽出することが可能です。
抽出した有用成分は、食品や化粧品の原料として利用することで、廃棄物削減や資源の有効活用ができます。
中でも最先端のマイクロ波抽出技術は、従来の抽出方法に比べてエネルギー効率が高く、環境負荷を低減できるため、持続可能な社会の実現に大きく貢献することが期待されているのです。
ここでは、マイクロ波抽出装置を使用してできることや、より詳しい実例について紹介します。
マイクロ波抽出装置を使用してできること
マイクロ波抽出装置は、マイクロ波が試料中の水分や極性分子を振動させ、その摩擦熱によって細胞壁を破壊することで有用成分を効率的に抽出する技術を備えた装置です。
この技術により、短時間で高品質な抽出が可能です。
また、熱に弱い成分も低温で抽出できるため、これまでの抽出方法では難しかった高品質な抽出が可能になりました。
具体的な利用法として挙げられるのは
- アロマオイルや香水の作成
- 食品の香りづけ
- 化粧品や医薬品の原料として利用
- 廃棄野菜から有用成分を抽出
などです。
マイクロ波抽出装置は、抽出効率の向上、高品質な抽出、低温抽出による成分の保護など、従来の抽出方法に比べて多くのメリットがあります。
これらのメリットを活かし、様々な分野で活用されています。
主な活躍例
マイクロ波抽出装置の主な活躍例を3つご紹介します。
1. 香料・アロマオイルの抽出
柑橘類の皮からリモネンなどの香りの成分を抽出し、食品や飲料の香りづけに利用されています。
2. 食品分野での活用
トマトの皮から抗酸化作用のあるリコピンを抽出し、高機能な健康食品の原料として利用されています。
また、廃棄される予定だった野菜から、ビタミンやミネラルなどの有用成分を抽出し、食品ロス削減にも貢献しています。
3. 化粧品・医薬品分野での活用
植物や天然素材から有用成分を抽出できるため、化粧品や医薬品の開発に活用されています。
- 植物の根や葉から薬効成分を抽出し、医薬品の原料として利用
- ハーブから美容成分を抽出し、高機能な化粧品の原料として利用
マイクロ波抽出装置は、様々な分野で活用されており、高品質な製品開発や食品ロス削減に貢献しています。
参考:https://kanematsu-mwextract.jp
まとめ

今回は野菜廃棄ゼロを目指すため、廃棄される野菜の背景やマイクロ波抽出装置について紹介しました。
野菜廃棄ゼロを目指すSDGsな取り組みは、持続可能な社会の実現に不可欠です。
さらに、消費者のエコに対する意識が高まっています。
自社の取り組みを積極的に情報発信していくことで、商品やサービスの信頼に繋がることでしょう。
兼松エンジニアリングのマイクロ波抽出装置は
- 従来の抽出方法と比較しエネルギー消費量が少ない
- 抽出時間が短い
- 廃棄物が少ない
などの点で高効率かつ環境に優しい技術を備えています。
豊富な経験と専門知識を持つ当社の技術チームが、お客様のニーズに合ったご提案をさせていただきます。
野菜廃棄を減らすための取り組みの一つとして、ぜひ導入をご検討ください。
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