
マイクロ波は、電子レンジや通信機器など日常にも使われている技術です。
この技術は応用範囲が非常に広く、さまざまな分野で活用されていますが、
「どういった仕組みでマイクロ波が発生するの?」
「わざわざマイクロ波を応用するメリットはあるの?」
と疑問を抱く方は多いでしょう。
マイクロ波の発生原理と特性を理解し、応用することができれば、幅広い分野でのビジネスチャンスが見えてきます。
今記事では、
- マイクロ波の発生原理とは
- 応用できる業界
- 技術を活用するときの注意点
などについて詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
マイクロ波とは

マイクロ波とは、電磁波の一種で真空でもエネルギーを伝える特性を持っています。
マイクロ波は、周波数が300MHzから300GHz、波長が1mから1mmの範囲の電磁波と一般的に定義されています。
電子レンジや衛星通信にも使われている技術であり、日常生活から事業分野まで幅広い場面で活用されています。
マイクロ波は、電磁波の中でも高周波の部類に入ります。
高周波の特性を活かすことで、物質の加熱や効率的なエネルギー伝送が実現するため、新しい分野でマイクロ波を使った技術開発が進んでいます。
マイクロ波の発生原理

マイクロ波の電界に極性物質を入れると、分子がマイクロ波の周期的な振動に対して、わずかに遅れて配向します。
この遅れがマイクロ波の振動に対する誘電損失としてエネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換されます。
この発生原理によって、マイクロ波は均一かつ効率的な加熱を実現しています。
従来の加熱方法
従来の加熱方法としては、以下のようなものがあります。
- 熱伝導:接触している部分から熱を伝える方法
(湯たんぽ、フライパンなど) - 対流 :流体(気体や液体)の移動によって熱エネルギーが伝わる方法
(エアコン、ドライヤーなど) - 放射 :熱エネルギーを電磁波として放出し熱を伝える方法
(太陽光、ハロゲンヒーターなど)
マイクロ波は、このどれとも異なる加熱方法です。
熱伝導や対流では、加熱したい物質に対して均等に熱を加えることが難しいため、高速かつ均一な加熱が必要なプロセスにおいては、マイクロ波が代用、あるいは不可欠な手段として採用されています。
マイクロ波技術が活用できる業界

マイクロ波を活用した技術開発は、均一性や効率性が評価されて、幅広い分野に貢献しています。
ここでは、マイクロ波の発生原理の技術が活用されている業界について解説します。
化学産業
19世紀後半から100年以上に渡って近代社会の生活を支えてきた化学産業では、マイクロ波の活用チャンスがあるかもしれません。
製造プロセスは、主に熱と圧力を活用しています。
化学産業は、膨大なエネルギーを消費しており、エネルギー供給や二酸化炭素排出などが問題視されてきました。
そのエネルギー消費量は、全産業の40%を占めているといわれているほどです。
マイクロ波を活用すれば、最小限のエネルギー生成で効率よく化学反応を加速させて製造プロセスを簡易化できます。
ただし、マイクロ波を導入した設備は、コストや設置場所などの負担が課題となっており、この部分を解決できれば産業化への道を切り開ける可能性が十分にあります。
食品業界
マイクロ波は、物質に含まれている水分を熱エネルギーに変える作用を持ちます。
食品の多くは水分を含んでいるので、調理、解凍、乾燥、発泡・膨化、殺菌、防ばいなどの目的でマイクロ波を使った加熱が有効とされています。
食品を長期保存するためには、水分を取り除く作業も欠かせないプロセスです。
マイクロ波であれば表面と内側を均等に加熱できるので、ムラが出ません。
エッセンシャルオイル業界
マイクロ波の発生原理を使った抽出なら、植物から高品質な精油を抽出できます。
精油製造といえば水蒸気蒸留法が主流ですが、この方法では高温にさらされるため、熱や水分に弱い植物からの精油抽出は困難です。
その点、マイクロ波は植物に含まれる水分を直接加熱することで、比較的低温で抽出します。 そのため、熱や水分に弱い植物も取り扱いが可能です。
また、従来の方法と比べて抽出時間が大幅に短縮されるので、ランニングコストの削減にもつながります。
マイクロ波を使った精油製造について興味がある方は、こちらから詳細をご覧ください。
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マイクロ波の装置を導入する際のポイント

マイクロ波を使った装置は、さまざまなメーカーが取り扱っています。
ここからは、マイクロ波装置を導入する際の選ぶポイントについて解説していきましょう。
サイズと価格帯
マイクロ波の価格相場は、小型のもので数十万円程度、大型だと1,000万円を超えることがあるほど価格帯の振れ幅が大きいです。
精度の高い技術が必要とされる医療業界や化学業界で利用する場合は、大型の装置が必要になる場合があります。
一方で食品業界やエッセンシャルオイル業界であれば、さまざまな種類の装置があるため、小型の装置でも十分機能することもあります。
導入コストがかかる点を踏まえると、用途に合わせて必要なサイズと価格帯を確認したうえで、最適な装置選びが必要です。
機能性
マイクロ波の装置には、加熱による化学合成、化学反応、加熱、殺菌、乾燥、抽出など多様な機能が搭載されています。
商品開発や製造の効率化を目指すうえで、安全性には細心の注意を払う必要があるからこそ、どういった機能が必要になるのかを把握しましょう。
メーカーごとに活用事例を説明しているので、比較することで判断しやすくなります。
また、無料相談を受け付けているメーカーもあるので、直接問い合わせをすることで、よりミスマッチを防ぐことができるでしょう。
アフターフォロー
マイクロ波装置は、取り扱いやすいように設計されていても、最初の取り付けや作動のタイミングで不具合が発生することがあります。
こうした不具合により製造プロセスで無駄が生じてしまうと、企業の利益にも悪影響を及ぼします。
そのような面から、購入後もメーカーのサポートを受けられると安心です。
マイクロ波抽出装置を取り扱っている兼松エンジニアリング株式会社では、1年目の定期点検を無料で実施し、2年目以降も有償での定期点検ができます。
こういった継続的なサポートがついていると、定期点検により不具合を早期発見できるため、将来的に発生する修理費用の節約にもつながるでしょう。
まとめ

今回は、マイクロ波の発生原理について解説しました。
最後に、もう一度おさらいしましょう。
- マイクロ波は、周期的な振動に対して分子が遅れて反応することで熱エネルギーを生み出す
- 食材乾燥やエッセンシャルオイル製造などで応用されている
- 幅広い価格、サイズ、機能性から最適なものを選んで使うべき
もし、「マイクロ波を使って食品業界やエッセンシャル業界で新商品を出したい!」と思われたなら、兼松エンジニアリングへの依頼をおすすめします。
兼松エンジニアリングでは、マイクロ波を使った抽出装置を取り扱っており、バリエーション豊かな商品開発や試作が可能です。
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