
ほとんどの方は、ご自宅に電子レンジがあるのではないでしょうか?
そして今まで電子レンジを一度も使ったことがない方は、かなり少ないはずです。
電子レンジがどうして温まるのか、不思議に感じられた経験はないですか?
電子レンジの加熱は、「誘電加熱」という方法によるものになります。
今回の記事では、誘電加熱とはどのような加熱方法なのかをわかりやすく解説していきましょう。
本記事を読むことで誘電加熱について詳しくなれるだけでなく、この加熱方法を使った応用技術についても知ることができます。
誘電加熱とは?

誘電加熱とは電気をほとんど通さない物質に対し、高周波の電磁波を当てることで物質内部の極性分子(水分子など)の動きを意図的に変化させ、発熱させる加熱方法です。
もう少し簡単にいうと、外部から物質に対して電磁波を当てることで、分子間に摩擦熱を生じさせることで発熱させる方法です。
家庭用の電子レンジなどが、誘電加熱に該当します。
誘電加熱と誘導加熱の違い

誘電加熱とは別に、外部加熱という加熱方法もあるのです。
これらの加熱方法は、誘電加熱とどのような違いがあるのかを詳しく解説していきましょう。
外部加熱
誘電加熱は「内部加熱」という加熱方法になりますが、その内部加熱と対にして使われるのが、外部加熱という方法です。
外部加熱には、伝導、対流、放射などの加熱方法がありますが、それぞれどのような方法なのかを表にまとめてみました。
| 伝導 | トースターでパンを焼くときのような加熱方法。一方向に熱が伝わることで加熱される。 |
| 対流 | お風呂のお湯を沸かすときのような加熱方法。発生する温度差によって生まれる動きで熱が伝わる。 |
| 放射 | 熱が放射線によって伝わり、物質を温めてくれる方法。 |
このように、外部加熱は温めたい物質の外側から何らかのアクションを起こして物質に熱を与える方法です。
内部から温める電子レンジの温め方とは少し違うことがおわかりいただけるでしょう。
誘導加熱
誘電加熱を似た言葉に誘導加熱があります。
誘電加熱は、外部からマイクロ波を当てることで、分子間に摩擦エネルギーを発生させ加熱する方法です。
一方の誘導加熱は、誘導電流を使って加熱対象の金属自体を発熱させる方法です。
IHクッキングヒーターなどは、この誘導加熱の実例ですね。
誘電加熱を用いた事例とは?

誘電加熱は、さまざまな分野で実用化されています。
一体どのような分野で使われているのか、いくつか事例を挙げてみましょう。
樹脂業界
樹脂業界では、塩化ビニール製品やプラスチック製品の加工などに誘電加熱が使われています。
塩化ビニールを溶かして接着したりするのに、誘電加熱は適しているのです。
木材業界
木材業界では、家具や楽器、箱などの加工に誘電加熱が使われています。
また、家具や楽器の材料を乾燥させるのにも、誘電加熱が適しているのです。
繊維業界
誘電加熱は、繊維業界でも導入されている加熱方法です。
染物を乾燥させたり、カーペットなどを接着させる際に、誘電加熱は効果的です。
セラミック業界
セラミック業界でも、誘電加熱は活用されています。
主に自動車の排ガスフィルターを乾燥させる目的で使用されているのです。
ゴム業界
ゴム業界では、自動車部品の加熱製造などの際に、誘電加熱が使用されています。
自動車の部品製造はあまり馴染みがないですが、意外と身近なところで誘電加熱が使われていることがわかります。
医療業界
医療業界でも誘電加熱は活用されています。
例えば、がん温熱治療や前立腺肥大症治療などの際に、温熱療法で治療するときは誘電加熱が活用されるのです。
食品業界
誘電加熱は、食品業界でも活用されている加熱方法です。
ビスケットやパン粉などを殺菌することもできますし、お肉や魚を解凍するのにも誘電加熱が使用されています。
誘電加熱の導入を考えるならマイクロ波装置もおすすめ

誘電加熱を発生させる際には、マイクロ波を使って分子に動きを与えます。
マイクロ波によって加熱をすることができ、さらにこの原理を応用すると「成分抽出」も行うことが可能なのです。
では、マイクロ波を使った抽出装置には、どのような特徴があるのかを見ていきましょう。
高い抽出効果を得られる
マイクロ波抽出装置を使うと、従来型をメインにした蒸留よりも、さらに高品質な抽出を行うことができます。
抽出の品質が上がるということで、新しい製品開発にもつながるでしょう。
食品用途でも抽出できる
マイクロ波抽出装置で成分抽出を行うと、食品分野でも安心して使用できます。
衛生面の観点などから食品分野での抽出をためらっていた方には、マイクロ波抽出装置での抽出がいいでしょう。
食品にも使いやすいということで、開発の幅が広がります。
ランニングコストが安い
マイクロ波抽出装置のメリットとして挙げられるのが、ランニングコストが安いことです。
一般的な抽出装置よりも安いコストでの運用が可能なので、製品開発の利益率向上にもつなげられるでしょう。
環境にやさしい
マイクロ波抽出装置は、環境にも優しい特性を持っています。
SDGsなどへの取り組みが当たり前になった現代では、環境問題へのかかわりは企業の責務になっています。
マイクロ波抽出装置は環境にも配慮した装置になっているため、完成した商品にはそのことも打ち出しやすいでしょう。
高性能なマイクロ波抽出装置をお求めの方は兼松エンジニアリングへ

ご紹介した通り、マイクロ波抽出装置は今後の新商品開発において魅力的なものになっています。
マイクロ波抽出装置は、兼松エンジニアリングが特許を取得している製品なので、マイクロ波抽出装置を使って製品開発に取り組みたい方は、同社に相談してみましょう。
兼松エンジニアリングでは、抽出装置の導入を検討している企業としっかりとヒアリングを行い、企業に合った形で抽出装置の導入を進めています。
自社に合った抽出装置の導入をしたいのであれば、導入時にしっかりと要望を伝えて対応をしてもらうといいでしょう。
さらに兼松エンジニアリングでは、導入1年後の定期点検費用をすべて負担してくれるアフターサービスも行っています。
高品質な抽出技術を導入して、自社独自の製品開発をしたいのであれば、兼松エンジニアリングにぜひとも相談してみてください。
参考:http://kanematsu-mwextract.jp/
誘電加熱をわかりやすく解説のまとめ

今回は誘電加熱とはどのような加熱なのかを、初心者の方にもわかりやすく解説してきました。
誘電加熱の身近な事例は、家庭用の電子レンジです。
また誘電加熱の技術を応用すれば、最先端の成分抽出も行えることがおわかりいただけたでしょう。
マイクロ波を使った抽出技術を導入すれば、他社よりも一歩進んだ製品開発につなげられるはずです。
もしマイクロ波抽出装置を使った抽出に興味があるのなら、早速、兼松エンジニアリングに相談して製品導入を検討してみましょう。
ぜひ一度、兼松エンジニアリングまでお問い合わせしてみてください。
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