
「見切り品」「訳あり」で通常よりも安く購入した経験を持つ人は多いでしょう。
物価高騰もあるので、こういったものはお得に感じられる一方で、
「規格外商品って味や栄養価に問題ないの?」
「なぜ、注目されているの?」
などと疑問を持つ人も少なくありません。
今までは廃棄されがちだった規格外商品でしたが、フードロスに注目が集まることで、企業などが活用する機会も増えてきています。
今記事では、
- 規格外商品とは
- 規格外商品の抱える課題
- 活用方法
などについて詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
規格外商品とは

規格外商品とは、生産や製造の過程において何かしらの不具合や不備があり、市場に出回らないものを指しています。
市場に出回らない商品の一部は、味や栄養価に問題がなくても廃棄されてしまうのですが、なぜそんなことが起こるのでしょうか。
ここでは、規格外商品の特徴について解説します。
品質水準を満たしていない
大半を占めているのが、品質に問題がなくても大きさや重量、形状が一定水準を満たしていない野菜や果物です。
スーパーの野菜売り場では、ほとんど同じような形や大きさの野菜が並んでいるのは、市場に出すにあたって企業イメージを守るために水準を設けているからです。
また、野菜のほかにも加工食品であれば、生産過程で焼きムラ、欠け、変色があるものは、梱包されずに弾かれます。
一定水準を満たさなかったものが、市場に出回らずに捨てられてしまうのです。
切れ端などで梱包できない
味や見た目に問題がなくても、通常とは異なる大きさや形状になったものが含まれます。
例えば、ハム、チーズ、ケーキ、カステラなど、一番端の部分は色や大きさが変わってしまうので、一般流通させないことが多いです。
最近では、フードロスの問題を改善するために、「見切り品」「訳あり品」として低価格で販売するメーカーも増えています。
イベントや季節を過ぎている
クリスマス、バレンタイン、お中元、お歳暮などのイベントが過ぎると、スーパーなどの陳列棚から弾かれてしまいます。
焼き菓子など賞味期限の長いものは、オンラインセールやアウトレットで安く販売されることも増えました。
しかし、クリスマスケーキや恵方巻きなどは、大量に廃棄されている問題がニュースでも取り上げられ、大きな議論となっています。
箱詰めできなかった
製造プロセスの最後の工程で、段ボールに箱詰めする際に入りきらなかったものが含まれます。
在庫管理のミスや輸送時の破損リスクを踏まえると、余剰品を無理やり押し込むことはできません。
梱包時のトラブルを踏まえて予定よりも多めに生産しているメーカーが多く、どうしても箱詰めのタイミングで余りが出て、無駄になってしまいます。
梱包部分の印字が間違っている
商品自体に問題がなくても、梱包する袋や箱の印字ミスによるものが含まれます。
サッポロビールの缶ビール「サッポロ開拓使麦酒仕立て」のデザインで「LAGER(ラガー)」を「LAGAR」と間違って印字して生産してしまった事例があります。
この事例においては、企業が消費者に事情を説明して一般流通されましたが、消費期限や原材料名に不備があると廃棄される可能性が高いです。
規格外商品が抱える課題

品質に問題がないのに規格外商品が一般流通しにくい状況には、いくつかの事情があります。
フードロスの削減を目指す際に、どういう事情があるのかを把握しておきましょう。
ここでは。規格外商品が抱える課題について解説します。
廃棄コスト
フードロスになるだけではなく、廃棄をするために費用がかかります。
市場に流せない場合の主な処理方法とその費用の目安は、以下のとおりです。
- 焼却:300円/kg
- 飼料化:185円/kg
- 肥料化:100円/kg
生産コストだけが無駄になると認識している人がいますが、廃棄量が多くなるほど不要な支出が発生してしまいます。
適正価格の低下
やり方次第で規格品の適正価格を下げてしまう恐れがあります。
最近では、「訳あり品」「見切り品」として価格を下げて販売するメーカーも増えています。
しかし、安さを売りにしすぎると「味や栄養価が同じなら安いほうを買おう」と考える消費者が増えて、規格品が売れずに生産者の利益が下がってしまうのです。
そういった側面もあることを理解したうえで、適正価格での消費を促す取り組みが必要になります。
企業が規格外商品を取り扱うメリットとデメリット

企業が規格外商品を使った新商品開発や事業を始める際には、強みになる部分と想定される弱みのどちらも把握しておくことが重要です。
よい側面だけ見ていると、事業としてうまくいかなくなる恐れがあるからです。
ここでは、規格外商品を取り扱うメリットとデメリットについて解説します。
メリット
企業が規格外商品を取り扱う最大のメリットは、フードロスの削減に貢献できるので、環境に配慮したブランドイメージを構築できる点です。
CSRの一環として、製造プロセスや販売過程で、どれだけエネルギー排出を抑えられるか、CO2を削減できるかが企業評価につながります。
最近では、どの業界でも競争率が激化しており、規格外商品を取り扱うことで消費者からの共感を得て、新規ファンやリピーターの獲得に力を入れています。
デメリット
規格外商品は。やむを得ず発生するものなので、供給が安定しないのがデメリットです。
生産や製造の過程において、大量に発生することもあれば、ほとんど発生しないこともある点を踏まえると、規格外商品だけを使ったビジネスは難易度が高くなります。
また、自動化された製造プロセスを取り入れている企業においては、非効率を招く原因になり得ます。
困っている農家さんや生産者の方と連携しつつ、付加価値をつけられるアイデアを模索することも必要です。
企業が規格外商品を活用する方法

規格外商品には一長一短の側面がありますが、実際の企業が活用するには、どういった選択があるのでしょうか。
具体的な事例を知ることで、新しいアイデアにつながるかもしれません。
ここでは、企業が規格外商品を活用する方法について解説します。
格安でオンライン販売
余剰品や訳あり商品として正規品よりも少し安価に販売すると、消費者からの需要が高まります。
格安で購入することで、その商品の魅力に気づいてファンになってもらえれば、利益創出のきっかけになるでしょう。
ただし、本来の価値を落とさないためにも、規格品を購入した人向け特典や期間限定など突発的に販売機会を作り、規格品への興味関心を持ってもらえるように誘導することが重要です。
アップサイクル
アップサイクルとは、捨てられてしまう予定だったものに付加価値をつけて販売する方法です。
商品を原料に戻して再利用するリサイクルとは異なり、商品の素材を生かしながら新商品へと生まれ変わらせるので、付加価値がつきます。
一般流通しない野菜や果物を活用することで、環境負担の軽減や生産者の収益安定化などの強みがある点を訴求することで、消費者からも支持されやすくなります。
精油抽出
野菜や果物を使った精油(エッセンシャルオイル)やフレグランス、リキュールなどに加工して、付加価値をつける方法も注目されています。
例えば、地元の農家さんと協力しながら地場の植物や野菜を使った新製品の開発・販売をすることで、フードロスの削減と町おこしを同時に実現できます。
精油づくりでは、熱や水に弱い野菜や果物でも低温抽出できるマイクロ波抽出装置がおすすめです。
興味がある方は、こちらから詳細をご覧ください。
参考:http://kanematsu-mwextract.jp
まとめ

今回は、規格外商品の特徴や活用方法について解説しました。
最後に、もう一度おさらいしましょう。
- 規格外商品の多くは品質が高い
- 規格外商品を流通させることはフードロスの削減につながるが、安売りする
- 適正価格の低下になる
- アップサイクルや精油抽出などの二次利用ができる
規格外商品を使って精油やフレグランスの商品開発がしたいと思われたなら、兼松エンジニアリングへの依頼をおすすめします。
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